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この項目では、鉄道における車両について説明しています。試験場における自動車については「運転免許試験場」をご覧ください。 |
試験車(しけんしゃ)とは、鉄道の事業用車の一種。
以下3種類の性質のものに大別できる。
- 技術開発の目的で各種の試験を行う、いわゆる試験用車両。
- 高速車両の開発や、新技術の性能試験を目的とするもの。営業目的の車両ではないためにスタイルに全く気がかけられていない車両[1]もあるが、スタイリング自体や、形状の違いがもたらす特性の差異を検討する目的のために斬新な外観を持つ車両もある。著名な記録を残した車両などは保存される例もあるが[2]、必要なデータの収集後には廃車されることも多い。
- 大半は1編成のみの存在であるため、固有の愛称が付されることもある。
- 新型車両の量産の前に各種の試験を行う、いわゆる試作車。
- プロトタイプの記事も参照。「先行量産型」などとも呼ばれ、ほぼ同型の量産車が作られる前提で設計される。ただしこの車輛による試験や運用の結果をフィードバックし、量産モデルでは設計変更が入ることも多い。たとえば300系新幹線ではJ0編成がそれである。試験後にすぐ廃車となることは少なく、量産車投入後に構造を同一に改修されて(量産化改造)営業運転に入ることが多い。しかし、試験結果が良好でない(JR貨物ED500形電気機関車など)あるいはそれ以外の事情(近鉄3000系など)により量産化が行われない例もあるほか、量産車との違いで運用が変則的になるなどの理由から早期に引退することもある(JR西日本の500系や681系など)。
- 鉄道設備の消耗状況や建築限界など、地上設備の測定を行う車両。
- 建築限界測定車、軌道試験車、振動測定用試験車、架線試験車、電気検測・信号検測用試験車などが存在する。鉄道路線を保有する上で必須の車両であるが、あまり規模が大きくない鉄道会社などでは(また、専用の車輛を作るまでもなく可能な内容の試験であれば)、営業用車両やその他の事業用車両に検測装置を搭載して検測を行ったり、他社の車両を借り受けて検測を行う場合がある。
なお、日本国有鉄道→JRの在来線車両における車両形式記号は、職用車と同じ「ヤ」[3]であり、十の位の数字は「9」あるいは「4」が用いられる。また、(開業後の[4])新幹線車両では百位の数字が「9」の「事業用車」に含まれる(新幹線の車両形式を参照)。
地上設備検測を主とするもの
貨車
- 国鉄ヤ210形貨車(軌道検測用試験車)
- 国鉄ヤ230形貨車(新幹線923形貨車の在来線版)
開業前は「1000形」に代表されるように、別の規則だった。
当初は鉄道ファンからの非公式愛称であり、JR西日本では愛称は特にないとしていたが、2016年8月の京都鉄道博物館での期間限定展示の際にJR西日本側が「ドクターWEST」の呼称を使うようになった。