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東京都の橋 ウィキペディアから
船堀橋(ふなぼりばし)は、荒川(荒川放水路)および中川(放水路)、旧中川にかかる 東京都道・千葉県道50号東京市川線(新大橋通り)の橋である。
正式名称は「新船堀橋」。旧船堀橋が現存しないため「船堀橋」と呼ばれる。荒川の河口から3.5 km[1][2]の地点に架かる橋で、東岸は江戸川区船堀一丁目と東小松川四丁目を分かち、西岸は中州状になっている江戸川区小松川一丁目を通過し、江東区大島九丁目に至る。下流側で都営地下鉄新宿線荒川橋梁と平行し、江戸川区側で首都高速中央環状線の下をくぐり、同高速船堀橋出入口を構造体に含む。
橋の総延長は1487.4メートル[3][4]あり、東京都建設局が管理する橋の中では最長の橋で[3]、荒川に架かる橋では上江橋に次いで長い橋である。 橋の総延長の内、荒川渡河区間は524.05メートルで、中川との間に5.5メートルの橋台を挟み、中川渡河区間は169.75メートルである[5]。橋格は一等橋(TL-20)である[6]。上下線の間に幅0.5メートルの中央分離帯がある。橋面は1.5から2.0パーセントの横断勾配が付けられている。右岸側の旧中川を渡る船堀小橋[7]を含む右岸取付橋は半径500メートルの曲線や小松川地区に降りる長さ239.622メートルのランプを有する長さ559.97メートル[8][注釈 1]の単純合成鋼鈑桁橋および単純箱桁橋(一部)の曲線橋である。 また、災害時に防災拠点等に緊急輸送を行なうための、東京都の特定緊急輸送道路に指定されている[9]。
1996年(平成8年)7月4日荒川の河口付近に荒川河口橋が開通したことにより、船堀橋の荒川河口橋開通3ヶ月後の1日当たりの交通量が44,900台から40,800台になり、混雑が緩和された[10]。
新船堀橋は1969年(昭和44年)12月15日工事に着手され、1971年(昭和46年)3月完工し[6]、同年7月17日に開通している[4]。 また、旧中川を渡る単純合成箱桁橋の右岸取付橋は1949年(昭和44年)7月6日着工され、1970年(昭和45年)12月に完工している[7][12] 橋の施工は低水路に架かる主径間を日本鋼管(現、JFEスチール)が行ない、側径間は松尾橋梁(現、IHIインフラシステム)[11]が行なった。また、右岸取付橋の方は陸上区間を桜田機械工業(サクラダ)が行ない、旧中川に架かる区間(船堀小橋)を三菱重工業(現、エム・エムブリッジ)が行なった[7]。架設工法はステージング(ベント)工法や手延工法が用いられた。
現在の船堀橋が完成する以前は、400メートルほど下流の[13]陣屋橋通り(船堀商店街)の延長線上であった江戸川区船堀町(現江戸川区船堀二丁目)から江戸川区小松川町(現江戸川区小松川一丁目)を経由して[14]、江東区大島まで木橋が架けられ、1909年(明治42年)12月に開通された木橋の中川大橋[15]に接続していた。これが「旧船堀橋」である。1923年(大正12年)4月21日開通[16]のRC(鉄筋コンクリート)橋脚を持つ木桁橋で、1924年(大正13年)10月通水を開始した荒川放水路[17]の掘削に合わせて作られ、荒川放水路に架かる橋長518メートル、幅員3.6メートルの船堀大橋と、同年3月12日開通した中川(放水路)に架かる[13][注釈 3]橋長141メートル、幅員3.6メートルの船堀小橋[18][注釈 3]からなっていた。 この旧船堀橋は東京都内では最長の木橋で、荒川放水路に最後まで残る木橋でもあった[19]。
旧船堀橋は1950年(昭和25年)12月に橋長517.5メートル[注釈 4]、幅員3メートルの木橋形式で架け替えが行なわれ[4]、 船堀小橋の方も同年に橋長140.8メートル[20]、幅員3メートルの木桁橋形式で架け替えが行なわれた[21][注釈 3]。橋面は砂利が敷かれていた[20]。 この旧船堀橋は1966年(昭和41年)10月2日にだるま船が橋に衝突して橋脚が「く」の字に折れ曲がり、橋の中央部14メートルにかけて落橋する事故を起こしていた[22][4]。
昭和30年代より旧船堀橋は2.0トン重量制限を課していて[22]、同時に午前は西行き(船堀から東大島方面)、午後は東行き(東大島から船堀方面)の一方通行であった[22]。
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