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『ジャズ組曲』は、20世紀のソ連(現在のロシア)の作曲家ドミートリイ・ショスタコーヴィチが作曲したオーケストラのための組曲である。第1番、第2番の2つの組曲がある。各曲はこの組曲のオリジナルではなく、他の曲からの転用もある。
ソビエト・ジャズ委員会に所属していたショスタコーヴィチが、ソ連におけるジャズの普及、およびバンドの向上を目的として作曲した。ショスタコーヴィチは一般に交響曲や弦楽四重奏曲のジャンルにおいて、戦争などをテーマにした暗く重い作品を多く作曲したことで知られているが、ジャズ組曲はとても同じ作曲家が作曲したとは思えないほど軽妙な作品であり、ショスタコーヴィチの意外な一面を映し出していると評されている。
楽器編成は、オーケストラやジャズバンドというよりも、ライトミュージックやプロムナードコンサートの編成に近い。
1934年に作曲された。全3曲。演奏時間は約8分。
オリジナルの第2番は1938年に作曲されたが、戦争によってオーケストラの楽譜が消失。1999年になってピアノ総譜が発見されるまでその内容は謎に包まれており、全く関係がない「舞台管弦楽のための組曲」と混同されてもいた。イギリスの作曲家ジェラルド・マクバニーによってオーケストレーションが行われ、2000年9月9日に初演された。全3曲。
1950年代に作曲された。本来の題名は「舞台管弦楽のための組曲」第1番(露: Сюита для эстрадного оркестра, 英: Suite for Variety Stage Orchestra)だが、前述のジャズ組曲第2番が発見される以前、誤って「ジャズ組曲第2番」として知られていた。全8曲からなり、旧作からの引用やアレンジが見られる。演奏時間は約25分。
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