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自動作曲(じどうさっきょく、Automatic Composition )とは、作曲行為にコンピュータなどの計算手段を用いたものである。
自動作曲と言ってもコンピュータが完全に最初から最後まで作曲行為を行うのではなく、人間が発音の基本法則を作りこんだプログラムによる計算結果としての自動作曲なので、厳密には「作曲補助」と言える。フランス語ではコンピュータ補助作曲composition assistée par ordinateur (CAO) という呼び方が一般的であり、IRCAM(フランス国立音響音楽研究所)ではこの呼び名で統一している。この計算のためのプログラムを書く行為が既に「作曲行為」と見なされると主張する作曲家も存在する。近年では、MIDIを活用した自動作曲ソフトが登場している。
先駆的な例としてモーツァルトの「音楽のサイコロ遊び」が挙げられるが、これは自動作曲というよりはむしろ偶然性の音楽に近い。あらかじめ複数のフレーズを用意しておき、どのフレーズが偶然に選ばれても、それらが違和感なく連続して演奏できるよう配慮されている。
総音列技法で作曲されたピエール・ブーレーズの「構造」第1番と第2番は、音高はもとより音価や強弱が全てパラメータとして計算して書かれている。元となる数列とそれを組み立てる数式さえ考えれば、結果としての楽譜は自動的に計算によって導き出されるものであり、これも自動作曲と言える。ただしブーレーズ本人はこれの作曲にコンピュータは用いなかった。つまり紙上での手計算によるものである。このように簡単な筆記具と電卓(または計算尺など)があれば計算できる類の自動作曲としては、他にフランコ・ドナトーニの作風が挙げられる。
コンピュータを電子音の発信ではなく作曲の自動計算に用いた最初期の例は、レジャレン・ヒラー (Lejaren Hiller) とレオナルド・アイザックソン (Leonard Isaacson) による、イリノイ大学のコンピュータILLIAC Iを使った「イリアック組曲」(1957年)がある。
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