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藤子不二雄の藤本弘による日本のSF短編漫画 ウィキペディアから
「老年期の終り」(ろうねんきのおわり)とは藤子・F・不二雄(発表時は藤子不二雄名義)の短篇漫画である。初出は1978年(昭和53年)『マンガ少年』08月号であり、単行本には1980年(昭和55年)には『藤子不二雄SF短編集 創世日記』(サンコミックス)を始めとして8つの短篇集に収録されている。
地球から5000光年離れ、銀河系の中心近くに位置する星「ラグラング」。歴史が始まって5000年が過ぎたこの星は、都市の大半が無人となり、わずかな住民が残るだけとなっていた。そんな中、5000年間一度も鳴らなかった警報装置が鳴り響く。この警報装置は船籍不明のロケットが上空に侵入すると鳴るというもので、着陸したロケットの内部には人工冬眠状態の少年がただ1人寝ていた。医者のタマゴであるマリモの治療により意識を取り戻した少年は、6000年前に地球から異星の文明と出会うための旅に出たイケダという宇宙飛行士で、総督と面会を果たし地球代表としての友好の意を伝える。だが、そこで総督は衝撃的な事実を告げる。ラグランクは恒星間航路の拠点としての役目を終え、明日にも無人の星と化すどころか、なんとイケダを含む最後の住民はワープ航法で60日後には地球に戻るのだ。家族や恋人をも捨てた6000年間が無駄となったことに、イケダは絶望して気絶してしまう。
再び意識を戻し、ガールフレンドが歌う「マギー若き日の歌を」(When You and I Were Young, Maggie)に聴き入るイケダに、マリモの祖父ゲヒラはラグラングの歴史と人類の現状を語りだす。ラグラングが星としての一生を終えようとしているのと同時に、極度の出生率低下や宇宙各地からの撤退などが進み、人類という種族そのものが老年期を迎えて衰退しつつある。だが、ゲヒラは人類が何度も滅びかけながら種族として存続してきた、このことを評価するという。気が滅入る話が続くのに嫌気が差したマリモは、イケダを連れてラグラングを案内するが、どこも無人の廃墟と化し、空港長も昔日の思い出に耽るばかりであった。ラグラングからの最終便が出る日、着々と住民たちの宇宙船への搭乗が進む中、イケダは自分が乗ってきたロケットの調整を行っていた。イケダは人類の退行に反論し、可能性を求めて再びラグラングから外宇宙へ旅立つという。マリモはイケダの決意を一度は止めるが、イケダの情熱に感化され、旅への同行を申し込む。地球人から失われて久しい冒険心と若さを2人の姿に見たゲヒラは、生まれ育った母星ラグラングにひとり残り続けることを選択する。遠い未来、遠い宇宙で人類が再出発する可能性を感じながら、ゲヒラは飛び立つふたつの宇宙船を見送るのであった。
初出時のページ数は表紙を含めて31ページで、単行本化の際に加筆され44ページになっている。メモリアルホールや宇宙空港を訪れる場面が追加されている。
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