Loading AI tools
日本の法律 ウィキペディアから
高齢者の医療の確保に関する法律(こうれいしゃのいりょうのかくほにかんするほうりつ、昭和57年法律第80号)は、国民の高齢期における適切な医療の確保を図るため、医療費の適正化を推進するための計画の作成および保険者による健康診査等の実施に関する措置を講ずるとともに、高齢者の医療について、国民の共同連帯の理念等に基づき、前期高齢者に係る保険者間の費用負担の調整、後期高齢者に対する適切な医療の給付等を行うために必要な制度を設け、もって国民保健の向上および高齢者の福祉の増進を図ることを目的とした法律である。
この記事は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。 |
高齢者の医療の確保に関する法律 | |
---|---|
日本の法令 | |
通称・略称 | 高齢者医療確保法 |
法令番号 | 昭和57年法律第80号 |
種類 | 社会保障法 |
効力 | 現行法 |
成立 | 1982年8月10日 |
公布 | 1982年8月17日 |
施行 | 1983年2月1日 |
主な内容 | 後期高齢者医療制度、前期高齢者に係る保険者間の費用負担の調整、特定健康診査等 |
関連法令 | 健康保険法、船員保険法、国民健康保険法、国家公務員共済組合法、地方公務員等共済組合法、私立学校教職員共済法、医療法、介護保険法、健康増進法、社会保険診療報酬支払基金法など |
制定時題名 | 老人保健法 |
条文リンク | 高齢者の医療の確保に関する法律 - e-Gov法令検索 |
1982年(昭和57年)8月17日に老人保健法として制定された。2006年(平成18年)6月21日に制定された健康保険法等の一部を改正する法律(平成18年法律第83号)第7条の規定により、題名改正を含む大幅な改正が行われ、2008年(平成20年)4月1日に現在の題名に改正・施行。法改正により同日から後期高齢者医療制度が発足し、75歳以上の老人医療は本法が定める後期高齢者医療制度へ、旧老人保健法で行われていた保健事業は健康増進法へ移行した。なお、本法における「前期高齢者」とは満65歳から74歳、「後期高齢者」とは満75歳以上の高齢者をそれぞれ指す。
無償化によって膨張し続ける高齢者医療費による財政圧迫を打開するため[1]、高齢者医療費無償の全国化から10年後である1982年(昭和57年)には、旧法にあたる老人保健法が制定された[2][3]。翌1983年から高齢者医療費無償化が廃止され、入院1日300円、外来月400円の定額負担制度が導入された[4]。
「老人保健法」同法に基づく老人保健制度は市町村の事業とされ、その原資は日本国政府および区市町村3割、現役世代(64歳以下全員と65~69歳の健常者)からの基金供出金が7割であり[5]、受給者本人にも自己負担(外来で一ヶ月400円、入院で一日300円を上限)が設けられた[5]。
老人医療の実施の主体者は区市町村である。対象者は70歳以上の高齢者と65~69歳の障害者。当初は全ての老人医療を担っていたが、介護保険法の登場により、その適用は、老人の急性期医療や高度な医療が必要とされる慢性期医療に限られるようになった。
財政は、患者負担額を除いた額について30%が公費負担(国20%、都道府県5%、区市町村5%)、70%が現役世代(0~64歳全員と65~69歳の健常者)の負担であった[2]。
患者負担金は、保険医療機関あたり以下と定められた[2]。
原則として40~69歳を対象としている。将来、要介護者や生活習慣病にならないように配慮されている。具体的な内容を以下に示す。
老人保健法による健康診査には歯周疾患検診、骨粗鬆症検診、健康度評価、受診指導、肝炎ウイルスが含まれる。がん検診は現在は一般財源化している。
しかし、定額負担制度導入後も高齢者医療費は伸び続け[6]、日本国政府は数年おきに自己負担上限額の引き上げを行ってきた。健保組合に課される老人保健拠出金も明治生まれが全員70歳以上となった直後の1983年には13%であったが1996年に大正生まれも全員70歳以上になり、1999年には40%まで上昇し、1999年にはサンリオ健康保険組合が主導する老人保健拠出金不払い運動に発展、97%の健康保険組合が参加した[7][8]。
高齢者医療費無償の全国化から24年後、定額化から14年後である1997年には、入院1日300円から1000円へ、外来は月400円から「毎月4回まで1日500円」へと定額負担額が増加された[3]。
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.
Every time you click a link to Wikipedia, Wiktionary or Wikiquote in your browser's search results, it will show the modern Wikiwand interface.
Wikiwand extension is a five stars, simple, with minimum permission required to keep your browsing private, safe and transparent.