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源義経とその主従を中心に書いた作者不詳の軍記物語 ウィキペディアから
『義経記』(ぎけいき)は、源義経とその主従を中心に書いた作者不詳の軍記物語。全8巻[1]。南北朝時代から室町時代初期に成立したと考えられている。能や歌舞伎、人形浄瑠璃など、後世の多くの文学作品に影響を与え、今日まで義経やその周辺の人物のイメージの多くは『義経記』に拠っている。
なお、「源義経(みなもとのよしつね)」の読みは訓読みで「よしつね」であるが、本書では音読みで「ぎけいき」と読む。森銑三は中世・近世期には個人に対する敬意を表す意味で人名を音読みする習慣があったことを指摘し、同様の事例には織田信長の半生を記した『信長記(信長公記、しんちょうき)』の例を挙げている。
国文学者の岡見正雄は、本作が軍記物として『平家物語』に基づいた上で生い立ちと没落の書き加えられた、室町時代の要素が色濃い義経が描かれていると述べている[1]。
民俗学者の柳田國男は、一部の描写の細かさや義経一行の不自然な回り道から、本作が各部分が別の地域の異なる作者たちによって記されたことや、長楽寺など鎌倉、中仙道、奥州街道付近時宗の寺院の関係者が物語の普及に関与した可能性を指摘している[2]。
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十郎権頭兼房に促され、義経はいまの劔という刃長6寸5分の短刀を用いて左胸下部を刺し貫き、内臓を抉りだした後に衣服の袖で拭う[6]。北の方も敵の近づく中嘆きながらも自害し[7]、5歳の亀鶴御前と生後7日の姫君を兼房は切り殺す[8]。義経は北の方の亡骸の手を取り、兼房に宿所を火にかけるよう命じると絶命する[9]。
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