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範馬勇次郎(はんま ゆうじろう)は、板垣恵介の漫画作品『グラップラー刃牙』シリーズに登場する架空の人物。
「地上最強の生物」「オーガ(鬼)」「巨凶」など数々の称号を持つ。本作の主人公・範馬刃牙の父親にして、もっとも因縁が深い敵でもある。悪魔的と例えられる風貌で、ライオンの鬣のような怒髪をオールバックにしている。基本的に軽装で黒のカンフー着、カンフーシューズが多い。
「地上最強」の異名の通り、何者をも超える絶対的な力をほしいままにしている(刃牙曰く「癌細胞でも勇次郎には勝てない」とのこと)。しかし、物語が進むにつれ力無き者の希望となる偉人を尊敬していたり、高級店でのマナーなども熟知していたりするなど、様々な側面を見せるようになる。
巨大な北極熊を素手で屠り、複数の軍隊をも単身で壊滅させてしまう圧倒的な戦闘能力を持つ。強者を屠り去ること、丹念に鍛え上げられた強さを蹂躙することを至上の喜びとしており、趣味的に道場破りを行い、数え切れないほどの優秀なファイターを再起不能に追い込んでいる。その戦闘能力は国家軍事力をも上回るとされ、アメリカ合衆国が勇次郎1人に対し友好条約を結ぶに至った。勇次郎の行動は24時間365日、米軍の偵察衛星によってビスケット・オリバ、純・ゲバルと共に監視されている。勇次郎が4km/h以上の速さで動くと衛星の緊急作動によって世界中のカーナビに送られてくる情報が70mずれると言われる。
彼を象徴する最大の特徴はその背中である。ストライダムによると、傭兵時代に絶え間ない殺戮の日々を過ごすうち、背中の打撃用筋肉(ヒッティングマッスル)が異常発達して行き、やがて鬼の貌に見える奇怪な形状に変化を遂げたという。以来、本気を出すと背中に鬼が浮かぶようになり、これが通名「オーガ(鬼)」の由来となっている。なお人類史上においては勇次郎以外にもこの境地に到達した者がおり、息子刃牙も達成した他、古くはピラミッドの壁画や失伝した日本古武道の鍛錬法においても見られたという。しかし、勇次郎のものにはさらに上があり、一層の力を振り絞って構えることで、鬼の貌がまるで哭いているように歪む。この状態から繰り出される打撃は人知を超えて悪魔の域に達する。
「地上最強」と銘打たれており、さらにストライダムによれば実際の彼は限りなく広大な宇宙が、光の速さでさらに膨張を続けるように成長しており、身体能力は未だそのピークに達していない。当初は格闘家の間からも「誰もがオーガに技をかけるのを夢見る」と言われるなど最大級の標的とされていた。しかしストーリーが進むに従って、勇次郎があまりに強くなりすぎたため、誰も挑戦者として名乗りを上げるものがいなくなったことが語られている。ストライダムが語るところによれば、勇次郎の圧倒的な強さの根源は彼が持つ強烈なエゴイズムにあるという。自分以上の強者の存在を断じて認めないという、自己中心的思想の持ち主であり、また自身が地上最強の存在であることに一切の疑念を持ち合わせていない。その意思の強固さは過去の指導者や英雄、宗教の教祖まで、歴史を動かしてきた人物にさえ匹敵するとも評している。幼年編で刃牙が勇次郎に挑もうとする時に地震が発生し、この時勇次郎が地面を殴りつけると同時に地震がおさまったが、これを自らの拳で止めてみせたと信じる自分への強さの自負心も、このエゴイズムから生じるものである。
栗谷川曰く、勇次郎は水よりも酸素よりも何よりも、闘いを優先させるという。闘争に対しては徹底的に純粋であり、刃牙や天内悠などのように闘争に友情や愛、絆などの感情を持ち込むことを「不純物」と呼び、大いに嫌う。一方で自身に本気を出させた愚地独歩に感謝の念を覚えたり、郭海皇に友情を感じるなど例外もある。闘争行為を食事や料理に例えることが多く、ほかの格闘家を「餌」と呼び、闘うことを「喰う(喰らう)」と称する。前述の刃牙や天内の考えに対して「上等な料理にハチミツをブチまけるかのごとき思想」と例え激怒した。
その強さゆえに、社会的な影響も極めて大きく、各国から警戒されている他、アメリカから偵察衛星で監視されており、当の勇次郎には既知のことで、乗車中のGPSの狂いから、残りの監視対象者であるゲバルとオリバの開戦を察知し、参戦し損ねたことを嘆いていた。日本の首脳陣もこの強さに対して「確実に殺せるとしたら、砂漠など周囲に誰一人といない場所を単独旅行しているところに核爆弾を落とすぐらい」と評価している。 また、戦場でも絶対者として畏れられており、戦火に苦しむ民衆からは救世主として崇められている。また、地上最強の生物である彼を拘束できる権力は存在しないため、あらゆる行為が無問責。作中では傷害、殺人、内閣総理大臣への殺害予告と官邸への強襲など、数々の重罪が全て不問に付されている。妻である朱沢江珠の弁によれば、人間一人が振るう暴力で国家が揺らぐ事実を公に出来るはずが無いため、免罪は至極当然の話であるとのこと。加えて米国との同盟関係によって、突発的な狙撃や核攻撃からも保護されている。光成からは「大臣や大統領がムカつけば造作もなく小突きに行く」と称されている。
勇次郎行きつけのホテルのマネージャーが刃牙に語ったところによると、健啖家で何でも食べるが、牛や鶏の様な家畜の肉よりは、鹿や猪の様な野性的な肉を好むという。テーブルマナーにも精通している描写があり、美食家であることもうかがえる。具体的に好物として名前があがってるのは、めふん。喫煙、飲酒も嗜んでおり、エゴイズムに溢れた食生活の反面「毒も喰らう、栄養も喰らう」という彼の主張は刃牙も納得せざるを得ない正論といえる。
勇次郎の血液を調べた医師の秦によると男性ホルモンが常人の10倍以上もあり、測定不可能な程で「ヒト科」のレベルを遥かに超え哺乳類のものですらないと言わしめ、雄としてのホルモン指数が異次元と言い切り、秦が勇次郎から見える世界の景色を「我以外、皆異性也」を例え、勇次郎からすれば老若男女やアスリートなどとわず、全部が異性だと言った。
生まれ持った超人的な身体能力と、凄まじい闘争本能をもって闘う。繰り出される猛烈なラッシュ(猛獣の連撃)や、鬼の貌を開放して思い切りぶん殴るなど、彼が繰り出す攻撃は全て一撃必殺の破壊力を持つ。過去にベトナムで米軍の基地に乗り込んだときには、自動小銃を持つ軍隊を相手に、建物の壁を突き破りながら変則的に戦う様子が描かれている。
ストライダムの弁によれば、勇次郎の人知を超えた強さは戦場を徒手で生き抜く戦慄の日々の中で得たグラップルの結晶であり、人間を対象にした技術にすぎない格闘技では勝つことは不可能だという。勇次郎も、瑣末な技術や創意工夫は弱者の小細工と退け、それらは自分以外の全員で共有すればいいと断言している。刃牙が柳龍光と対峙した際の回想でも、柳が奥の手として温存していた鞭打を「所詮は女子供の護身技」と冷評した。
ただしそれらの技術や理論は、彼が持つ信条やエゴイズムから使う必要が無いだけである。見せ技程度にしか使用していないが、独歩戦で琉球王家の秘伝・御殿手(うどぅんでぃ)を披露し、郭海皇戦では郭海皇が半生をかけて手に入れた消力(シャオリー)を忠実に再現してみせた。刃牙に対しては息子への躾には最適という意味から、「女子供の技」と自ら評した鞭打をあえて使用。ピクルと対峙した際には拳を合わせての合気のようなものを1度とっさに使用した。また、柳の毒手に関する中国史を事細かに解説するなど、格闘技史についても豊富な知識を持つ。
キャラクターの原型となっているのは、ちばてつやの漫画『のたり松太郎』の主人公、坂口松太郎[1]。作者の板垣は、松太郎の腕力をどこまでも突き詰めていったら勇次郎に行き着いたと語っている[2]。外見上のモデルは、俳優のマット・ディロン[3]。
背中の鬼の貌はボディビルの写真を見ていた時、その背中が人の顔に見えたことから着想したという。当初は勇次郎の背中には龍の刺青があり、彼が動くと背中の龍が暴れてるように見えるという設定を考えていた[4]。
幼年編
地下闘技場編
最大トーナメント編
最凶死刑囚編
中国大擂台賽編
神の子激突編
超絶!!監獄バトル編
野人戦争編
地上最強の親子喧嘩編
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