第130回芥川龍之介賞
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候補作
太字は受賞作
概要
綿矢は当時19歳11か月であり、これまでの記録であった第56回の丸山健二「夏の流れ」による23歳0か月での受賞記録を更新した。また、金原も20歳5か月であり(その綿矢に次ぐ)史上2位の若さであった。また受賞には至らなかったが、島本も20歳8か月であり、事前報道などで注目された。
選評
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山田詠美、三浦哲郎、古井由吉、河野多恵子、黒井千次、池澤夏樹、石原慎太郎、村上龍、宮本輝、高樹のぶ子
- 蛇にピアス
- 細部描写の秀逸さと、派手な道具立ての裏にある物語の純粋さが高く評価された。特に、石原慎太郎は、受賞作発表後の記者会見において、この回の候補作全体に対して否定的見解を示して「今年は該当作無しでも良かったんじゃないか」と前置きした上で、それでも受賞した2作品からいずれかを選ぶならば、「蛇にピアス」を推す旨を明言したほどである。
- 蹴りたい背中
- 三浦哲郎が石原同様他に適した作品がなく、幼い内容だが選んだとしている。
反響
最年少受賞で注目されたため最近数年で最大の反響を呼び、受賞作2作を掲載した「文藝春秋」は約118万部発行され創刊以来の記録となった。単行本も『蹴りたい背中』はミリオンセラーを記録し、『蛇にピアス』も60万部以上を売り上げた。また綿矢の第1作『インストール』も合わせて話題になりこちらも50万部を超えるヒットとなった。
また、綿矢、金原は共に容姿からも注目され、本来文学とは無縁な写真週刊誌で特集が組まれたほか、インターネット上でも反響を呼び、その様子が雑誌で紹介された。各種媒体では、「綿矢はオジサンやオタクから人気」、「金原は若者や遊び人から人気」と言われた。
批判
受賞後の動き
受賞第1作として金原は2004年4月に集英社より『アッシュベイビー』を、綿矢は2007年2月に『夢を与える』を河出書房新社より刊行した。同じように若くして受賞した平野啓一郎らと比べると、両者共に受賞後の仕事量は少なく、執筆活動が軌道に乗るには2010年代半ば以降まで時間を要している。
なお、今回落選した絲山秋子は、第134回に「沖で待つ」で受賞を果たしているほか、島本は第159回直木三十五賞を「ファースト・ラヴ」で受賞した。
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