神室山
秋田県と山形県の境にまたがる山 ウィキペディアから
秋田県と山形県の境にまたがる山 ウィキペディアから
神室山(かむろさん)は秋田県湯沢市と山形県新庄市、金山町の県境・市境上にそびえる、神室連峰の主峰となる山である。
『日本二百名山』のひとつに数えられる。
この項では、便宜的に神室連峰(神室山地)全般についても記述する。
神室山を主峰とする神室連峰は、黒森(1,057m)から、水晶森(1,097m)、前神室山(1,342m)、神室山(1,365m)、天狗森(1,302m)、小又山(1,366m)、火打岳(1,237m)、八森山(1,098m)、杢蔵山(1,026m)、大森山(591m)と、脊梁が30kmあまりも続く山脈であり、標高こそ高くはないものの豪雪に磨かれた山容は険しく、そのことから別名「東北のミニアルプス」と呼ばれる。全山栗駒国定公園に指定されている。
神室山は、古来から山岳信仰の山として知られ、修験の山として鳥海山と並び称される存在であった。伝説によれば、坂上田村麻呂が東征のおりに開山したと伝えられている。鳥海山との結びつきが強く、祭神も同じ大物忌神である。また、神室山は水や農業の神として敬われ、人々は山に登っては五穀豊穣を祈っていた。山頂には「神室権現」、「雷神」、「太田神」、「水神」といった石碑が残されており、山中の窪地を田んぼに見立て、米などを撒いて五穀豊穣を祈った「御田」の跡と推定される場所が何箇所か残っている。また、「神室山の天狗」など多くの伝承が言い伝えられている。神室山麓の各集落には、それぞれに神室山の参詣者を迎えた宿坊の跡とされる場所が残されている。例えば、金山町の山崎藁坊はその一つである。また、金山町内に残る寺は、神室山の山岳修験にちなんでいる。神室山の修験道自体は、僧坊に女を囲うなど、破戒行為が著しいことを理由に禁止され、廃れて行ったが、近隣の住民の信仰の対象とされ続けている。
他の山脈に比べて特別標高が高いわけではないが、積雪の多さから比較的低標高に高山植物が群生しており、登山道も比較的整備されているため、人気のある登山コースとなっている。
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