爆心地
狭義には原子爆弾などの核兵器の爆発の中心地、広義には強力な爆弾の爆発の中心地 ウィキペディアから
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爆心地(ばくしんち、英: Hypocenter もしくは 英: ground zero)とは、狭義には原子爆弾などの核兵器の爆発の中心地をさす。広義には強力な爆弾の爆発の中心地をさす。また、それから転じて、大事件の発生場所や、大きな流行や社会現象の発生場所も爆心地と呼ばれることがある。
一般に、兵器として用いられる核爆弾は、破壊効果を最大にするために地表ではなく空気中で爆発させられることが多い。そのため、爆発が起こった(三次元空間上の)点を爆心点、その真下を爆心地と呼んで区別することもある。
歴史上実際に人の住む都市に落とされた2つの原爆、広島県広島市・長崎県長崎市のそれを爆心地と呼ぶことが多い。また、原水爆の地上実験が行われていた時代にできた核クレーターの中心も爆心地とよばれる。
アメリカ同時多発テロ後のground zeroの用法の変化については、グラウンド・ゼロを参照のこと。
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広島の原爆の爆心地は、相生橋の南東、島病院であった。当初の投下目標は相生橋であったが、風の影響により流されたとされている。この橋は広島市の中央を流れる太田川が分岐する地点にかけられたT字型の橋である。特異な形状は、上空からでもその特徴がよく判別できるため、目標に選ばれた。
もっとも早い段階で原爆の爆心地を調査した記録には、呉海軍工廠の三井再男海軍大佐らによって当日に行われたものがある(八月六日広島空襲被害状況調査報告概要)[1]。これによると、「爆心 護国神社南部 敵弾発火ハ高度約五五〇米」と報告されているが、目視によるもので証拠に基づいた報告ではないと思われている。
その後九月下旬にかけて、理化学研究所木村一治・田島英三、及び東京帝国大学地震研究所金井清、東京帝国大学工学部真島正市、広島管区気象台菅原芳生・北勲・山根正演・中根清之・西川宗隆らによって、科学的な手法による爆心地の調査が行われた。それによると、「現在の商工会議所(相生橋東詰)の北側辺り(当時・護国神社の所在地)前の電車通りの南方約一二五メートル、島外科病院(細工町十九番地)の玄関から東南方約二五メートルの地点が爆央(爆心地)」[2]とされている。また、爆心点[3]は556mまたは577mとされている。
のちの1969年に行われた調査によると、北緯34度23分40.68秒 東経132度27分19.93秒である。[4](誤差半径15メートル)、高度580メートル(誤差15メートル)[5]が爆心であるとされている。しかしアメリカは川の上を爆心地としており、どれが信頼できる情報か論理的な議論が必要である。 日本は現在の島内科医院の南側にある大手町中央駐車場の上空が爆心地であると主張している。
そして、2002年に放射線影響研究所が調べた結果を竹崎嘉彦が精査した結果、従来の爆心地より16m西側の島内科医院南側にある大手町中央駐車場の出口南側に、爆発高度も600mに見直された[6][7]。その座標値は、北緯34度23分40.537秒 東経132度27分17.269秒である[8]。
なお、広島の原爆被害を伝えるものとして有名な原爆ドームは、爆心地から北西へ151メートルの地点(原爆ドームのドーム骨組みの中心までの距離)にある。
現在、爆心地である島病院は島内科医院と名前を変えて医業を継続しており、病院の前にはこの場所が原爆の爆心地であることを示すモニュメントが建てられている。
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長崎原爆の爆心地は、長崎市街中心部から約3km離れた別荘のテニスコート上空、高度503 mプラスマイナス10 m[9](長崎市松山町171番地)である。東経129度51分47秒、北緯32度46分26秒である。
現在、長崎平和公園内に「原爆落下中心地地区・祈りのゾーン」として、モニュメントが建設され整備されている[10]。原爆落下中心碑が置かれ、周りに浦上天主堂遺壁や富永直樹制作の被爆50周年記念事業碑がある。北側に平和祈念像を中心とした「平和祈念像地区・願いのゾーン」がある[11]。
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