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炭団(たどん)は、炭(木炭、竹炭、石炭)の粉末をフノリなどの結着剤と混ぜ、団子状に整形して乾燥させた燃料。冬の季語[1]。
木炭製造時には売り物にならない細かい欠片が大量発生する。さらに木炭を運搬する際には衝撃などで炭が砕け、炭俵や炭袋などの中には大量の炭の粉末が溜まる。こういった木炭の欠片や粉を集め、繋ぎの糊と練って手で丸く固めて成形したのが始まりとされる[2]。火力は弱いが種火の状態で1日中でも燃焼し続けるため、火鉢やこたつ、煮物調理に向いていた。また一般家庭でも余った炭の粉を集めて自家製の炭団を造っていた。江戸期には塩原太助が木炭の粉に、粘着剤としての海藻を混ぜ固めた炭団を発明し、商業的に大成功した[3]。
成型用のつなぎとしてふのり、ツノマタなどの海藻、ジャガイモのデンプンなどを用い、場合によっては火持ちを良くするため土なども混ぜ、大人の握りこぶしほどの大きさに丸めて固め、乾燥させて仕上げる。また、泥炭を球状に整形して炭化させた製品もあったようだ。
炭団は高度成長期に石油ストーブやプロパンガスが普及する前まで、一般家庭での暖房用や調理加熱用として火鉢やこたつで日常的に利用されていた。昭和30年代頃までは全国各地で製造されており[2]、全国に炭団製造工場があったほか、山林地域の産業として重要な役割を担っていた。寒冷地で日常よく使うものであったことから、雪だるまの目に使うこともあった。戦後のエネルギー革命により、家庭からは姿を消してしまった[2]。
炭団は、雑草やトウモロコシの芯などから作った均一な品質でない木炭を、効率的に長時間燃焼する燃料として利用できる。粘着剤は家畜の糞などでも代用可能なため、現在は発展途上国への技術支援も行われている。
香道で使用する炭団(香炭団)は、上質の木炭の粉を小さな円筒形に固めたものであり、暖房用の炭団と大きく異なる。
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