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『灰とダイヤモンド』(はいとダイヤモンド、ポーランド語: Popiół i diament)は、ポーランドの作家であるイェジ・アンジェイェフスキが1948年に発表した小説である。ドイツ軍が降伏し、ロンドン亡命政府系のゲリラとソ連の後押しを受けるポーランド労働者党(後のポーランド統一労働者党)との内戦が始まろうとしていた1945年5月の4日間に、とある地方都市に集った人々を描写することによって、第2次世界大戦末期のポーランドの姿を映し出している。共産主義体制下では共産主義者シチューカが主人公と考えられており、また映画版では暗殺者マーチェクが主人公に据えられたが、共に原作での登場シーンはそれほど多くない。
1945年5月5日、ドイツ軍の降伏が目前に迫っていたころ、ポーランド労働者党県委員会書記のステファン・シチューカは、郡委員会書記のフランク・ポドグルスキが運転するジープで視察先のセメント工場に向かっていた。しかし、道中で、ポドグルスキは知人のアリチア・コセーツキに声をかけ、話し込んでしまう。そのため、シチューカは到着予定時間に遅れてしまうが、ロンドン亡命政府系のゲリラによる暗殺を免れる。
シチューカはポドグルスキが声をかけた人物に興味を持つが、アリチアの夫、アントーニが自分と同じ強制収容所にいたことを知ると、アントーニと会う機会を作るようポドグルスキに依頼する。実はアントーニは強制収容所内でドイツ軍に取り入ってカポ(補助看守)となり、同胞に対して残虐な行為をおこなっていた。ポドグルスキの話からシチューカはアントーニこそ自分が収監されていた強制収容所の悪名高きカポの正体ではないかと考え、自分の考えを確かめようとしたのだ。
その夜、地元の市長・シフェンツキがシチューカを歓迎する宴会を《モノーポル》ホテルで開いた。シフェンツキは秘書のフランク・ドレヴノフスキに準備を命じていたが、ドレヴノフスキは準備中にシフェンツキがワルシャワに栄転するという噂を耳にする。すると、ドレヴノフスキはシフェンツキの栄転先が知りたくなり、情報通のピェノンジェクに酒を勧めて聞き出そうとする。しかし、自分も一緒に酒を飲んでしまい、肝心の宴会の準備をおろそかにしてしまう。宴会は無事始まるが、ドレヴノフスキは泥酔して醜態を演じ、失脚してしまう。宴会中、シチューカは古参社会党員のカリーツキに共闘を呼びかけるが、カリーツキは時代の動きを理解しようとはしなかった。
そのころ、同じホテルのバーではロンドン亡命政府系の暗殺者、マーチェク・ヘウミツキが、アントーニの長男でロンドン亡命政府系のゲリラのアンジェイとシチューカ暗殺の謀議をおこなっていた。そのバーで、マーチェクはウェイトレスのクリスティーナと恋に落ちる。謀議の後、クリスティーナとしばしの逢瀬を楽しんだマーチェクは、暗殺業から足を洗い、彼女と新しい人生を歩んでいくことを決意する。
5月8日。マーチェクは、クリスティーナと落ち合う約束をすると、これで最後にするべく、シチューカ暗殺へと向かう。
1958年にアンジェイ・ワイダ監督が映画化。アンジェイェフスキはワイダとともに脚色を担当している。詳細は灰とダイヤモンド (映画)を参照。
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