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『ゆうれい船』(ゆうれいせん)は、大佛次郎の小説である。1956年に『朝日新聞』で連載された。
本項ではそれを原作にした日本映画と、ドラマ化作品である『海の次郎丸』についても併せて扱う。
1956年に『朝日新聞』で連載された少年向けの時代小説である。全324回。小説の挿絵は画家・田代光が担当した。室町時代後期から戦国時代への混乱期を舞台に、船頭の父と母を亡くした少年・次郎丸の活躍を描く。1957年に映画化され、1967年には『海の次郎丸』のタイトルでテレビドラマ化もされた。このほか、田代による小説の挿絵を収録した画集が上下巻で出ている[1]。
応仁の乱の後の戦乱で船頭の父と母を亡くした次郎丸は、侍になることを夢見て、叔父・五郎太夫のつてを頼り、飼い犬のシロを連れて京にやって来た。そのころ京は、足利将軍家に代わって松永弾正が実権を握り、悪政により人々は虐げられていた。叔父の館に向かう途中で次郎丸は、弾正の悪政をよしとしない雪姫と左馬之助に出会う。そして叔父が弾正と結託している悪徳商人だという話を聞き、それが事実だと知るのだった。
映画化作品。1957年9月15日に前編の『ゆうれい船 怒濤編』が、同年の9月23日に『ゆうれい船 后編』が公開された。侍を夢見て京にやって来た少年の冒険活劇。配給、製作は東映。後に『ゆうれい船 前篇』、『ゆうれい船 後篇』のタイトルでビデオ化されている。10代の少年である次郎丸を当時25歳の中村錦之助(後の萬屋錦之介)が演じているなど、劇中の設定年齢よりも演じている役者の実年齢が大きく上回っている役どころが目立つ。
テレビドラマ版は、1968年1月7日から同年8月25日までTBS系列局で『海の次郎丸』と題して放送。松竹と朝日放送の共同製作。ダイハツ工業の一社提供。全34話。主演は中村光輝(現在の三代目中村又五郎)。
ストーリーは悪党に船頭の父を連れ去られ、母を亡くした次郎丸が愛犬・太郎と共に父の行方を追って境、琉球、南海の孤島と冒険の旅を続けるというもの。
本作の放送と並行して、荘司としおによる漫画化作品が月刊誌『少年画報』(少年画報社刊)に1968年2月号から同年7月号まで連載された。
「進め!次郎丸」は『蔵出し盤!熱中時代劇 ベスト』(2011年5月11日 / キングレコード)に収録されている。また、朝日ソノラマによるカバーバージョン「海の次郎丸」(歌:岡田恭子)と「鬼やしゃのブルース」(歌:東映児童合唱団)は、『朝日ソノラマ主題歌コレクション 4』(2003年 / EMIミュージック・ジャパン)と『アニソン100』(2007年3月7日 / EMIミュージック・ジャパン)に収録されている(『アニソン100』の方は前者のみを収録)。
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