東京府生まれ。福島県立白河高等学校卒業後、学資のため三年間働き、東京外国語大学イタリア語科を卒業、同大学副手、助手、専任講師、助教授、1960年からチェーザレ・パヴェーゼ全集の半ばを翻訳、1960年代後半にローマ大学に留学、1979年、東京外大教授。イタリア文学の研究、翻訳に業績をあげ、1988年、『ウンガレッティ全詩集』でピーコ・デッラ・ミランドラ賞、1990年、ウンベルト・エーコ『薔薇の名前』の翻訳で日本翻訳文化賞[2]、1991年、BABEL国際翻訳大賞日本翻訳大賞、2006年、『イタリア・ユダヤ人の風景』で読売文学賞受賞。イタリア文学研究センター主宰。ほかにカルヴィーノ、モラヴィアの翻訳も多い。
ダンテ『神曲 〈地獄篇〉』を、口語詩体で一歌ずつ岩波書店の月刊誌「図書」で、2005年6月号から2008年6月号まで連載。続編〈煉獄篇〉も、同誌2011年1月号から連載された。第三篇〈天上篇〉まで完訳に至れば刊行予定である。
2018年5月25日、脳梗塞のため死去[1]。84歳没。
- 『氷河と蝶 イタリア旅想』(筑摩書房) 1983、のち改題『イタリアをめぐる旅想』(平凡社ライブラリー) 1994
- 『叙事詩の精神 パヴェーゼとダンテ』(岩波書店) 1990
- 『ウンガレッティ 詩人の生涯』(花神社) 1994
- 『ローマ散策』(岩波新書) 2000
- 『イタリア・ユダヤ人の風景』(岩波書店) 2004、のちオンデマンド版 2015
- 『めぐりくる夏の日に』(岩波書店) 2007
- 『無関心な人びと』(アルベルト・モラヴィア、弘文堂) 1966、のち改訳し岩波文庫(上・下) 1991
- 『関心 アテンツィオーネ』(モラヴィア、新潮社) 1968
- 『詩集 そしてすぐに日は暮れる』(クヮジーモド、平凡社、世界名詩集) 1968
- 『チェーザレ・パヴェーゼ全集1 流刑』(チェーザレ・パヴェーゼ、晶文社) 1969、のち岩波文庫 2012
- 『チェーザレ・パヴェーゼ全集2 故郷』(チェーザレ・パヴェーゼ、晶文社) 1969、のち岩波文庫 2003
- 『チェーザレ・パヴェーゼ全集3 美しい夏』(チェーザレ・パヴェーゼ、晶文社) 1970、のち岩波文庫 2006
- 『チェーザレ・パヴェーゼ全集7 丘の上の悪魔』(チェーザレ・パヴェーゼ、晶文社) 1970
- 『わたしの中国観 文革中国を旅して』(モラヴィア、サイマル出版会) 1971 - 表記はモラビア
- 『まっぷたつの子爵』(イタロ・カルヴィーノ、晶文社) 1971、のち岩波文庫 2017
- 『愛と死の戦場 ベトナムに生の意味を求めて』(オリアーナ・ファラーチ、朝日新聞社) 1974
- 『チェーザレ・パヴェーゼ全集5 青春の絆』(チェーザレ・パヴェーゼ、晶文社) 1975
- 『バチッチャのふしぎなアフリカ探検』(エルマンノ・リベンツィ、ほるぷ出版) 1976
- 『こわいものなしのジョバンニン イタリア民話』(暁教育図書) 1977
- 『チェーザレ・パヴェーゼ全集9 月と篝り火』(チェーザレ・パヴェーゼ、晶文社) 1977、のち岩波文庫 2014
- 『みどりの小鳥 イタリア民話選』(イタロ・カルヴィーノ、岩波書店) 1978、のち新版 1989、のち岩波書店・世界児童文学集 1994、のち新版 2003、のち岩波少年文庫 2013
- 『ロビンと海賊』(エルマンノ・リベンツィ、ほるぷ出版) 1979
- 『ローマ物語』1 - 2(モラヴィア、集英社文庫) 1980
- 『宿命の交わる城』(カルヴィーノ、講談社) 1980、のち河出文庫 2004
- 『カヴァレリーア・ルスティカーナ』(ジョヴァンニ・ヴェルガ、岩波文庫) 1981
- 『イタリア抵抗運動の遺書』(P・マルヴェッツィ / G・ピレッリ編、冨山房百科文庫) 1983、のち新版 1998
- 『イタリア民話集』上・下(カルヴィーノ、岩波文庫) 1984 - 1985、のちワイド版 2010
- 『ウンガレッティ全詩集』(ウンガレッティ、筑摩書房) 1988、のち岩波文庫 2018・4
- 『薔薇の名前』上・下(ウンベルト・エーコ、東京創元社) 1990
- 『逃げてゆく鏡』(ジョヴァンニ・パピーニ、国書刊行会) 1992
- 『ウンガレッティ詩集』(ジュゼッペ・ウンガレッティ編訳、小沢書店、双書・20世紀の詩人9) 1993
- 『そしてすぐに日が暮れる』(サルヴァトーレ・クァジーモド、平凡社ライブラリー) 1994
- 『澁澤龍彦文学館1「ルネサンスの箱」』(筑摩書房) 1993
- 「神曲 地獄篇(抄)」 ダンテ
- 「デカメロン(抄)」 ボッカッチョ
- 「オルランド狂乱(抄)」 アリオスト
- 『クアジーモド全詩集』(クアジーモド、筑摩書房) 1996、のち岩波文庫 2017・7
- 『エロス』(アルベルト・ベヴィラックァ(en:Alberto Bevilacqua)、集英社) 1997
- 『君主論』(マキアヴェッリ、岩波文庫) 1998、のちワイド版 2001
- 『デカメロン』上・下(ボッカッチョ、講談社文芸文庫) 1999
- 『カテリーナのふしぎなお話』(エルサ・モランテ(en:Elsa Morante)、岩波書店) 2002
- 『パヴェーゼ文学集成』全6巻(パヴェーゼ、岩波書店)2008 - 2010:1 - 4は長篇集、5は短編集、6は詩文集
- 『ショパン - 炎のバラード』(ロベルト・コトロネーオ、集英社) 2010
- 『祭の夜』(パヴェーゼ、岩波文庫) 2012 - 短編集
- 『60分で名著快読 マキアヴェッリ「君主論」』(日経ビジネス人文庫) 2016