永青文庫
東京都文京区にある美術館 ウィキペディアから
永青文庫(えいせいぶんこ)は、東京都文京区目白台にある、日本・東洋の古美術を中心とした美術館。旧熊本藩主細川家伝来の美術品・歴史資料、16代当主細川護立の蒐集品などを収蔵展示研究、運営主体は公益財団法人永青文庫。理事長は細川護光[1]。
永青文庫 | |
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施設情報 | |
専門分野 | 熊本藩主の細川家伝来の美術品や蒐集品など |
館長 |
小林大秀 細川護光(理事長) |
事業主体 | 公益財団法人永青文庫 |
管理運営 | 公益財団法人永青文庫 |
開館 | 1972年(昭和47年) |
所在地 |
〒112-0015 日本 東京都文京区目白台1丁目1番地1号 |
位置 | 北緯35度42分47.5秒 東経139度43分23.7秒 |
アクセス |
都営バス「白61 新宿駅西口」行き「目白台三丁目」停留所より徒歩5分 都電荒川線早稲田駅より徒歩10分 |
外部リンク | http://www.eiseibunko.com/ |
プロジェクト:GLAM |
熊本市の熊本城二の丸にある熊本県立美術館が「永青文庫展示室」を設け、永青文庫所蔵品の一部を年に数回入れ替えながら展示しているほか、東京国際空港第2旅客ターミナル内にあった「ディスカバリーミュージアム」でも所蔵品の一部が企画を替えながら展示されていた[2]。
概要

永青文庫は、目白台の閑静な住宅街のなかにあり、1950年(昭和25年)、第16代当主細川護立(1883年 - 1970年)によって設立された[4]。護立は旧侯爵、貴族院議員で、国宝保存会会長などを務め、戦前・戦後の日本の文化財保護行政に多大な貢献をしている。「美術の殿様」と言われ、美術品収集家としても著名であった。多くの旧大名家が伝来の名宝を美術館や個人に寄贈したり売却する中で、細川家は数多くの美術品を自ら管理し、保存した[5]。
文庫の所在地は細川家の屋敷跡であり、建物は昭和時代初期に、細川家の事務所として建てられたものである。文庫名の「永青」は細川家の菩提寺である永源庵(建仁寺塔頭、現在は正伝永源院)の「永」と、細川藤孝の居城・青龍寺城の「青」から採られている[6]。
一般公開されるようになったのは、当主が第17代細川護貞(もりさだ)になった1972年(昭和47年)からである[4]。貴重な国文学の古書籍も所蔵され、一部が汲古書院より、影印本『細川家永青文庫叢刊』で出版された。
収蔵品は、歴代当主所用の甲冑、茶道具、書画、古文書などの細川家伝来品と、16代当主細川護立の蒐集品とを含む。文庫収蔵品のうち護立によって蒐集されたものには中国美術(陶磁器、仏像、考古資料など)、白隠、仙厓などの禅画、禅林墨跡、近代日本絵画、刀剣などがある(刀剣については、細川家伝来品と護立の蒐集品の両方がある)。護立は横山大観、下村観山、菱田春草など多くの画家たちを支援しており、そうした交友を通じて近代日本絵画のコレクションが形成された[7]。
指定文化財
要約
視点



国宝

重要文化財
- 絵画
- 絹本著色細川澄元像 狩野元信筆
- 紙本著色長谷雄草紙
- 紙本著色洋人奏楽図 六曲屏風一双(大聖寺藩伝来、熊本県立美術館寄託[9])
- 紙本墨画芦雁図(伝宮本武蔵筆) 六曲屏風一双(熊本県立美術館寄託)
- 紙本墨画鵜図 宮本武蔵筆(熊本県立美術館寄託)
- 紙本墨画紅梅鳩図 宮本武蔵筆(熊本県立美術館寄託)
- 紙本著色落葉図 菱田春草筆 六曲屏風一双 1909年(熊本県立美術館寄託)
- 絹本著色黒き猫図 菱田春草筆 1910年(熊本県立美術館寄託)
- 髪 小林古径筆 絹本著色 1931年(熊本県立美術館寄託)
- 室君 松岡映丘筆 絹本著色 1916年 六曲屏風一双[10][11][12]
- 豫譲 平福百穂筆 絹本金地著色 1917年 六曲屏風一双[10][11][12]
- 彫刻
- 陶磁
- 刀剣武具
- 太刀 銘守家造
- 破扇散鐔 無銘林又七
- 春日野図鐔 銘城州伏見住金家
- 毘沙門天図鐔 銘城州伏見住金家
- 牟礼高松図鐔 銘利寿(花押)
- 白糸威褄取鎧 兜付(しろいとおどしつまどり よろい かぶとつき)
- 書跡
- 古文書
- 細川家文書(266通)11巻、23幅、2冊、180通、附:文書箱4合(熊本大学附属図書館寄託)[15]
- 考古資料
- 歴史資料
上記のほか「細川家舟屋形」(熊本藩御座船の御座所、「建造物」として重要文化財に指定)も永青文庫の所有である[17]。この舟屋形は熊本城天守内に保管されていたが、2018年に熊本市立熊本博物館に移された[18]。
県指定文化財
- 絵画
公益財団法人永青文庫
事業内容
公益財団法人としては以下の4つを事業内容としている[19]。
- 歴史資料・美術品・書籍等の所蔵品や古建造物の保管・ 寄託および修復
- 所蔵品等の調査・研究および外部の研究者による研究の奨励
- 所蔵品等の展示公開(特に東京・熊本は常設展示)およ び文書・各種メディアによる紹介
- その他、永青文庫の目的を達成するために必要な事業
役員
役員は以下の通り[19]。
関連文献
- 『永青文庫の古文書 光秀・葡萄酒・熊本城』熊本大学永青文庫研究センターと共編、吉川弘文館、2020年 ISBN 9784642083867
- 『細川家の歴史資料と書籍-永青文庫資料論』森正人・稲葉継陽編、吉川弘文館、2013年 ISBN 9784642014106
脚注
参考文献
関連項目
外部リンク
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