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シリンダーを放射状に配列したレシプロエンジン ウィキペディアから
星型エンジン(ほしがたエンジン)とは、シリンダーを放射状に配列したレシプロエンジン。20世紀半ばまで航空発動機はガソリンエンジンが中心で、その中で空冷星型の気筒配列が最も多く採用された。
クランクシャフトを中心にしてシリンダーが放射状に並べられる。英語では文字通り「Radial engine」(放射状エンジン) と呼ばれる。他の言語では、ドイツ語のSternmotor(Stern=星)やフランス語のMoteur en étoile(Étoile=星)などは、日本語と同じように星になぞらえている。ひとつひとつのシリンダーは独立している。コネクティングロッドはマスターロッドとサブロッドを用いる方式を使う。ひとつのピストンがマスターロッドを介してクランクピンに繋げられ、他のシリンダーはサブロッドでマスターロッドを介して繋げられる。回転に伴いマスターロッドが揺動するためサブロッド取り付け部の運動軌跡は楕円となり、大端が円運動軌跡を描くマスターロッドの気筒とはストローク長、死点位置、死点タイミングがずれ、しかもこのずれ度合いは気筒ごとに全て異なる。ストローク長ずれによる1%程度の気筒容積違いや1〜2°の死点タイミングずれによる不等間隔爆発は無視しても問題にならなかったが、性能に大きな影響を与える上死点位置(圧縮比)、点火時期は補正して揃える必要があった。
上死点位置揃えはサブロッドかシリンダー長さ調整、またはマスターロッドへの取り付け穴位置ずらしのいずれかによって可能だが、サブロッドやシリンダー長さを気筒ごとに別にするのは部品種類が増えるため、通常は穴位置ずらしが採られた。点火時期はポイント開閉用カム山形状を不等間隔配置して死点タイミングずれに合わせた。
エンジンの中心部に部品が集中している構造上モーターカノンは搭載できないため、単発機の機銃は機軸から離れた位置に設置する必要がある。
代表的な星型空冷エンジンを以下に挙げる。
その他は航空用エンジンの一覧を参照
イタリア王国のイタリア陸軍の将軍ジュリオ・ドゥーエは将校時代にトリノ工科大学で電気工学を専攻、軍用星型エンジンを研究し評価された。実際に航空機用に星型エンジンを最初開発・製造したのは、アメリカのサミュエル・ラングレーとその助手であるチャールズ・マンリーであった。マンリーが1901年に制作したマンリー・バルザーエンジンは5気筒で52馬力を出し、ライト兄弟がフライヤー1に搭載したエンジン(12馬力)よりも性能がよかった。しかし、このエンジンを搭載した実験機エアロドロームは1903年に行った2度にわたるテスト飛行に失敗、その成果をあげることはできなかった。
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