新型コロナウイルス

新しく発見されたコロナウイルス全般 ウィキペディアから

新型コロナウイルス(しんがたコロナウイルス、英語: Novel coronavirus, nCoV)とは、コロナウイルス科オルトコロナウイルス亜科に属するウイルスのうち、医学上、公衆衛生上重要なものについて名付けられる暫定的名称である[1][2][3][4]

特にヒトコロナウイルスにおいて多用される。(ヒト)コロナウイルスは人類に対する風土病と考えられており、風邪普通感冒様症状を引き起こすが、種間伝播英語版により、しばしば肺炎を伴う重篤な感染症として流行する[1][2][3][4]

ウイルスの種類

以下のウイルスは、正式名称が命名されるより以前に新型コロナウイルスとして位置づけられていたものである。以下の4ウイルスはいずれもベータコロナウイルス属英語版 (Betacoronavirus) に属する。

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ヒトに病原性を持つ新型コロナウイルスの種類
正式名称 他の呼称 感受性宿主[† 1] 初発見場所(発見年) 感染症
SARSコロナウイルス2 (SARS-CoV-2) [† 2][† 3][5][6] 2019-nCoV
SARSウイルス2 (SARS virus 2)
ヒトコロナウイルス2019 (HCoV-19)
コウモリ鱗甲目 中国武漢 (2019年) 新型コロナウイルス感染症 (2019年) (COVID-19) [† 4][4][7]
MERSコロナウイルス (MERS-CoV) [† 5] 中東ウイルス
MERSウイルス
ラクダインフルエンザウイルス
ラクダ、コウモリ サウジアラビアジッダ (2012年) 中東呼吸器症候群 (MERS) [8][9]
ヒトコロナウイルスHKU1 (HCoV-HKU1) ニューヘブンウイルス[注釈 1] ネズミ 香港 (2005年) 軽度の気道感染症、まれに重篤な肺炎症状
SARSコロナウイルス (SARS-CoV, SARS-CoV-1) [† 2] SARSウイルス ハクビシン、コウモリ 中国仏山 (2002年) 重症急性呼吸器症候群 (SARS) [9]
  1. 種間伝播英語版が継代しない場合がある。
  2. このウイルスは別種ではなく、SARS関連コロナウイルスの株の一つと考えられている。
  3. 正式名称の命名以降も日本においては引き続き「新型コロナウイルス」と呼ばれることが多い。
  4. この他の呼称として2019コロナウイルス肺炎、武漢肺炎症候群などがある。
  5. HCoV-EMC/2012英語版London1_novel CoV/2012英語版の株を含む。
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語源

新型コロナウイルスの「新型」には、既知のウイルス科分類に属する新しい病原体という意味がある。すなわち、新型コロナウイルスは、コロナウイルス科(またはその下位分類)に属する新しい病原体という意味である。全く未知の新しい病原体という意図はない。「新型○○」という単語の使用は、2015年に世界保健機関 (WHO) が決めた新しい感染症命名スキームに準拠している[10][11][12]

歴史的に病原体は場所・個人・特定の種にちなんで名付けられる慣行が多くあったが、その慣行は現在WHOによって支持されていない[10][11][12]

ウイルスと病気の恒久的な正式名称は、それぞれ国際ウイルス分類委員会 (ICTV) とWHOの国際疾病分類 (ICD) によって決定される。

詳説

脚注

関連項目

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