ジップ・ガン
メーカーが製造していない、又は自作した拳銃 ウィキペディアから
メーカーが製造していない、又は自作した拳銃 ウィキペディアから
ジップ・ガン(英語: Zip gun)とは、身近な部品など簡易な設計で作られた銃である[1]。銃器メーカー製ではない自作(手製)であり、多くの国・地域では法律で製造、所持が禁止されている密造銃である[2]。
ガンスミスの資格の有無にかかわらず国家が認可していない製造を行うと密造銃となる[3][4]。また、既製品をガンスミスが改造する場合でも、当局に届け出がなければ新規の銃の密造となる[5]。
大半のジップ・ガンの構造は金属製の短い筒に弾丸を込め、ファイアリング・ピンの役割をする釘などの細い物で弾丸の雷管を叩き、発砲する。他の銃器に見られる大半の部品を省いた単純な作りであるため比較的簡単に製造が可能である。
銃器メーカーが正規に製造した銃器に比べ性能は遥かに悪く、耐久性も低いため反復使用を想定していないが、作り方によっては銃に見えない外見にすることも出来るため隠匿性、携帯性に優れ、主に護身用、犯罪用、暗殺用などに使われている。中には懐中電灯や携帯電話などの日用品に似せて作られた物もある。
日本の武器等製造法を含め、多くの国で懲役刑などの重い刑罰が科せられる法律によって製造が禁止されている。
日本においては所持していた場合でも銃砲刀剣類所持等取締法(銃刀法)違反などで取り締まりが行われ、それ以外の一部の国においても銃の不法所持は禁止されている。
アメリカで2016年から2020年の間に押収された製造番号の無い銃は、23,000丁以上であった[6]。
アメリカでは、簡単に銃が製造できるようになった今日に至り、2021年5月7日に火器の定義を1968年以来初めて見直して銃の部品にも規制をかける法案を発表した。それ以前は、プラモデルのようにキットを組み立てれば銃となる自作火器(ゴーストガン、PMF)や3Dプリンターの図面等は見逃されていたが、この法案によって部品の状態でも規制の対象となる[7]。
このような自作武器では、意図しないタイミングで発生する静電気でも反応してしまう黒色火薬が使用されたり、火薬の量を間違えたり、発射の爆発に耐えられない銃が製造されたりするため、使用者が大けがしたりなどの事故が発生する[8]。
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.