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委託販売(いたくはんばい)とは、企業がとる販売活動形態の一種である。また、個人でも、同人活動、個人販売などにおいて企業又は個人に依存して委託販売を行うこともあるが、この場合は、厳密な会計処理が行われないことも多い。
委託販売とは、その名のとおり、商品や製品の販売を、第三者に委託・代行して販売してもらう販売形態である。遠隔地の消費者への販売に適している。販売を頼むほうを委託者、代行するほうを受託者と呼ぶ。委託者は商品の所有権を保有したまま、受託者に委託することが出来、受託者は受諾した商品を販売し、手数料から利益を得る。
出版業において「委託販売」と通称されている販売方式は、厳密には上記の委託販売とは異なり、あくまでも売買行為である。出版業の「委託販売」と元々の委託販売と区別するため、これを返品条件付き売買あるいは返品制などと呼ぶことがある。
この方式では次のような流れになる。
この方式では通常の委託販売に比べ、出版社や取次にとっては会計上有利となる。
岩波書店は責任販売制を採用しており、一部の出版物で2008年11月から小学館、2009年10月から講談社が責任販売制を導入した。また2009年7月からは、筑摩書房、河出書房新社、青弓社、中央公論新社、二玄社、早川書房、平凡社、ポット出版が、一部書籍について35ブックスと呼ばれる責任販売制を実施している。委託販売、責任販売ともに様々な取引条件があるため優劣を一口で語ることはできない。
旅行業界では、他社で企画した主催旅行を自分の会社(旅行代理店)で代理販売することを、代売という。旅行代理店では、旅行代金から手数料収入を差し引いて委託元の旅行業者に支払う。委託販売の形態をとっているので、旅程上のトラブルの責任は主催会社が負うこととなる。
委託販売に類似している販売形態に、消化仕入れあるいは売上仕入れがある(小売りの従業員が店舗を管理するケースと、派遣店員が店舗を管理するケースとを区別して呼び名を使い分けることもある)。商品を仕入れても仕入として認識せず、仕入れた商品はあくまでも仕入先の在庫とし、商品が売れた時点で初めて仕入れと認識する。しかし委託販売と異なるのは、売掛金の貸倒れリスクは販売店が負うのに対して、委託販売では負わない。
なお、返品制との違いは、商品を仕入れた時点で在庫として認識するため、売れ残った商品は返品ができるが、盗難や減耗など在庫管理のリスクは負うことになる。
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