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増槽(ぞうそう)は、兵器外部に取り付けられる追加の燃料タンクのこと。内蔵燃料では不十分な、長期・長距離作戦を遂行するために装備される。増加燃料タンク(ぞうかねんりょうタンク)、増設燃料タンク(ぞうせつねんりょうタンク)とも。軍用機の翼下・機体下・機体側面、軍用車の側面・後面などに取り付けられる。
軍用機に用いられる増槽には、ドロップタンク(drop tank, 落下型増槽)とコンフォーマル・フューエル・タンク(conformal fuel tank, CFT, 密着型増槽[1])があり、初期のジェット戦闘機やジェット練習機などには、翼端増槽(tip tank)が用いられていた。他には、主フロート内部に増槽を設けた二式水上戦闘機や、主翼下に固定式増槽を備えたC-130などもある。
現代、外部搭載品を前提に設計された軍用機の大部分はあらかじめ基本装備に増槽を含んでいる。加えて増槽は大きな容積を持っていることから、機体改修や風洞試験を要さず手っ取り早く大型の装備品を追加する手段として、増槽を模したあるいはそのものを筐体に流用することがある。代表的なものがドローグホース、ポンプ、巻取機を追加しタンク内の燃料を他機体へ供給する空中給油ポッド。他にも各種カメラ、センサー等を内蔵する偵察ポッド。大気中の核爆発の証跡を探るための集塵ポッド。変わったところでは核爆弾と増槽を一体化したB-58ハスラーのミッションポッド、主に搭乗者のための貨物用トラベルポッド等がある。
戦車や自走砲、装甲車のような軍用車両にも増槽が取り付けられることもある。
戦車の燃料は、引火点の高いディーゼル燃料であっても榴弾の爆発の高温で着火し、装備位置によっては車体全体が延焼して危険であるため、非常時や戦闘時のために車内から操作して投棄可能なものが多い。戦後のソ連軍戦車の場合、フェンダー上などにも露出した固定式の燃料タンクが搭載された物が多いが、中東戦争ではこれらに着火してしまうケースが実際に多かった。通常、外装式のタンクが着火しても、車体外側が延焼するだけであり爆発はしない。しかし一方で大量に燃料が残っている状態などで引火すると消火が困難でそのまま戦車が全焼した事例も多々ある。
また、第二次世界大戦直前に燃料補給の利便化のためにジェリカンが発明され、補助タンク代わりに車体外部に大量に搭載している例も見られた。
歩兵用の携行型対戦車兵器に多く用いられている成形炸薬弾(HEAT弾)への防御効果を期待して、引火の危険を考慮した上で外部燃料タンクを「装甲」の一種として配置した設計の例もある。
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