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地球本来の神々(ちきゅうほんらいのかみがみ)は、創作神話クトゥルフ神話の用語。
狭義では、「大いなるもの」という者たちを指しており、ドリームランド(幻夢郷)に住むとされる神々の総称である。
だがクトゥルフ神話・ラヴクラフト神話には、ギリシャ神話などの既存の伝説の神々が登場することもある。クトゥルフ神話の神は、「大いなるもの」「既存の伝説の神々」、クトゥルフ神話の創作神がおり、「地球の神」「地球本来の神々」は前二者を指し、語だけではどちらなのか区別がつかない。
ハワード・フィリップス・ラヴクラフトが創造・設定した。ドリームランドを舞台とした『蕃神』にて言及され、『未知なるカダスを夢に求めて』に登場する。
原語は『Gods of Earth』であり、地球本来の神々、地球の神々(ちきゅうのかみがみ)、大地の神々(だいちのかみがみ)、地上神(ちじょうしん)などと邦訳される。また『Great Ones』と表記されることもあり、こちらは大いなるもの(おおいなるもの)と邦訳される。
対義語は蕃神(地球外からやって来た、異形の神々)。
ドリームランドの人々は、彼ら<大いなるもの>を信仰する。彼ら神族は、美しい人の姿をしている。人間族と子をなすこともあり、神の血を引く子孫は美しい容貌を受け継ぐ。かつては霊峰ハテグ=クラ山の城に住んでいたが、人間族に姿を見られることを嫌い、秘境カダスの城へと移り住んだ。力では、人間族の魔術師にすら抜かれ得るほどであり、「脆弱な」神々と呼ばれる。ノーデンスと、ナイアーラトテップら蕃神が、彼ら神族を保護している。
ラヴクラフト作品の範囲では彼らの個別の顔ぶれはわかっていない。
クトゥルフ神話を大系化して事典を作ろうとした、最初のフランシス・レイニーは、1943年の『クトゥルー神話小辞典』にて、旧神と旧支配者「以外の」神々について言及した。だが具体例はヒュプノスのみであった。[1]
次にリン・カーターは1957年の『クトゥルー神話の神神』にて、旧神/旧支配者/地球本来の神々と3分した。何柱もの神が挙げられ、彼らは全員カダスに住むとされた。ポイントはノーデンスの位置づけであり、レイニーが旧神としたノーデンスを、カーターは地球本来の神々とし、旧神の名前は一切わからないとした[2]。だが後に設定を変更し、ノーデンスを旧神の指導者と位置づけるようになる。
ゲーリー・メイヤーズによると、旧神とはカダスの彼らのことであり、ダーレス神話で言われるほどの強大な力は持っておらず、邪神たちをなんとか眠らせているにすぎない[注 1]。
変わり種として、栗本薫の『魔界水滸伝』では、地球本来の神々の枠に日本の妖怪たちが宛てられ、異次元からの侵略邪神たちと戦う。
ラヴクラフトのドリームランドの「大いなるもの」に該当しそうな神は限定される。
カーター『クトゥルー神話の神神』にて地球本来の神々にカウントされた神には★をつける[3]。風見潤『クトゥルー・オペラ』に登場する地球本来の神々には☆をつける[3]。
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