和田順顕

和田 順顕（わだ じゅんけん、1889年4月21日 - 1977年12月13日）は日本の建築家。横浜郵船ビルなどの作品で知られる。

経歴

1889年（明治22年）石川県金沢市生まれ。石川県立金沢第一中学校を経て、東京美術学校図案科に進み、大澤三之助、古宇田実、岡田信一郎らの指導を受ける。1912年（明治45年）に卒業後、古宇田実設計の松屋呉服店本店、横浜鶴屋呉服店の工事監督に従事する。1914年から松屋呉服店建築顧問（1921年まで）。1915（大正4年）年に独立。1921年にアメリカ各地の建築を視察。1923年（大正12年）、丸ビルに建築事務所を開いた。

昭和10年代には日本精工川崎工場など工場を多く設計。出身地・金沢市の建築顧問を務め、市立小中学校、市立病院などを手掛ける。1959年、設計事務所を株式会社とする。1977年に逝去。

作品

• 東京府立巣鴨共同住宅（1925年、現存しない）
• 日本医師会館（1930年、現存しない）
• 日本医科大学第一病院（1931年、現存しない）
• 浜口吉右衛門邸（1932年、現・タイ王国大使公邸）
• 日本郵船横浜支社（1936年、日本郵船歴史博物館）^[1]
• 慶應義塾大学北里記念医学図書館（1937年、信濃町メディアセンター）^[2]
• 加賀市庁舎（1961年）^[3]

参考文献

• 古田智久「建築家「和田順顕」について」（日本建築学会『学術講演梗概集 F 都市計画, 建築経済・住宅問題, 建築歴史・意匠』、1989年）
• 和田順顕「私の受けた建築教育」（建築雑誌1975.12）

その他

• 金沢工業大学建築アーカイヴス研究所 - 寄贈された設計図面を収蔵している。2024年に展示会「金沢ゆかりの建築家 和田順顕」^[4]が開催された。

注釈

1. 2023年から休館、建物を保存しつつ、再開発事業が行われている。
2. 2015年に耐震補強工事が行われた。
3. 2011年に耐震改修が行われ、外観は異なっている。（山岸建築設計事務所）
4. 写真と設計図で往年を偲ぶ【金沢ゆかりの建築家「和田順顕」―大正・昭和の金沢を彩った近代建築】を開催。

関連項目

• 建築家