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凱旋式のファスティ(がいせんしきのファスティ、ラテン語: Fasti Triumphales / Acta Triumphalia)は、アウグストゥス帝統治下の紀元前19年頃、フォルム・ロマヌムに建てられたアクティウムの海戦記念凱旋門につけられたと考えられている石版である[1]。石版には凱旋式を実施した指揮官の名前とその素性、勝利した相手または場所、実施日、が記録されている。一部の欠損はあるが、紀元前753年の半ば神話的なロームルスの凱旋式から、紀元前19年のプロコンスル(執政官代理)であるルキウス・コルネリウス・バルブスの凱旋式までが記載されている。
ローマ帝国崩壊後は地中に埋もれていたが、16世紀の中頃におそらくは偶然に発見され、修復が進められた。現在はカピトリーノ美術館に展示されている。4つの石版から構成されており、それぞれローマ建国紀元元年-452年、453年-532年、533年-625年、628年-735年に実施された凱旋式が記録されている。
なお、一部に欠損部分があるが、他の資料で凱旋式実施が確認できるものは罫線で囲んで示した。
- 紀元前221年:プブリウス・コルネリウス・スキピオ・アシナ、執政官、対イストリ海賊
- 紀元前206年:クィントゥス・ファビウス・マクシムス・ウェッルコスス(2回目)、執政官、対カルタゴ(タレントゥム攻城戦)
- 紀元前206年:マルクス・リウィウス・サリナトル、執政官、対カルタゴ(メタウルスの戦い)
- 紀元前206年:ガイウス・クラウディウス・ネロ、執政官、対カルタゴ(メタウルスの戦い)
- 紀元前201年:スキピオ・アフリカヌス、執政官、対カルタゴ(第二次ポエニ戦争終了)
- 紀元前200年:ルキウス・フリウス・プルプレオ、法務官、対ガリア
- 紀元前197年:ガイウス・コルネリウス・ケテグス、執政官、対ガリア(インスブリ族)
- 紀元前184年:ガイウス・カルプルニウス・ピソ、前法務官、対ルシタニア、ケルティベリア
- 紀元前184年:ルキウス・クィンクティウス・クリピヌス、前法務官、対ルシタニア、ケルティベリア
- 紀元前180年:マルクス・バエビウス・タンピルス、前執政官、対リグリア
- 紀元前180年:プブリウス・コルネリウス・ケテグス、前執政官、対リグリア
- 紀元前180年:クィントゥス・フルウィウス・フラックス、前法務官、対ケルティベリア
- 紀元前179年:クィントゥス・フルウィウス・フラックス(2回め)、執政官、対リグリア
- 紀元前131年:プブリウス・ルピリウス、前執政官、於シキリア属州(第一次奴隷戦争)
- マルクス・ペルペルナ、前法務官?(小凱旋式)、於シキリア属州(第一次奴隷戦争)
- 紀元前101年:ガイウス・マリウス(執政官)およびクィントゥス・ルタティウス・カトゥルス(前執政官 )。対ゲルマン人(キンブリ・テウトニ戦争)
- 紀元前100年:マルクス・アントニウス・オラトル、執政官代理、対キリキア
- 紀元前81年:ガイウス・ウァレリウス・フラックス、前執政官、於ヒスパニア、ガリア
- 紀元前81年:グナエウス・ポンペイウス(1回め)、法務官代理?、於アフリカ属州
- 紀元前78年:グナエウス・コルネリウス・ドラベッラ、前執政官、対トラキア
- 紀元前74年?:ガイウス・スクリボニウス・クリオ、前執政官、対トラキア、モエシア
- 紀元前71年:グナエウス・ポンペイウス(2回め)、執政官代理、セルトリウスの反乱、スパルタクスの乱鎮圧
- 紀元前71年:クィントゥス・カエキリウス・メテッルス・ピウス、前執政官、セルトリウスの反乱鎮圧
- 紀元前71年:マルクス・テレンティウス・ウァッロ・ルクッルス、前執政官、対トラキア、モエシア
- 紀元前70年?:ルキウス・アフラニウス、法務官あるいは前法務官
- 紀元前69年:マルクス・プピウス・ピソ・フルギ・カルプルニアヌス、執政官代理、於ヒスパニア
- 紀元前63年:ルキウス・マンリウス・トルクァトゥス?、前執政官、於マケドニア、インペラトル(凱旋将軍称号)授与される
- 紀元前32年:アッピウス・クラウディウス・プルケル、前執政官、於ヒスパニア
- 紀元前32年:ルキウス・コルニフィキウス、前執政官、於アフリカ属州(12月)
- 紀元前31年?:ルキウス・マルキウス・ピリップス、前執政官、於ヒスパニア
- 紀元前28年:ガイウス・カルウィシウス・サビヌス、前執政官、於ヒスパニア
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