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長崎県佐世保市出身。長崎県立佐世保北高等学校卒業後、同志社大学法学部へ進学。1974年、同志社大学大学院法学研究科修士課程政治学専攻入学。休学・在英を経て、1983年、ベルギー(ヨーロッパ大学院大学College of Europe行政学研究科)留学・修了(Diplome de Hautes Etudes Europeennes 1985)。1987年、同志社大学大学院法学研究科博士課程(後期)所定年限終了退学。
1999年、長崎純心大学人文学部教授を経て、2002年より久留米大学法学部国際政治学科教授。2022年3月、久留米大学を定年退職。同年4月から久留米大学名誉教授および客員教授。2004年から2005年にかけ、在外研究ベルギー欧州大学院大学客員教授。法学博士(九州大学、2005年)。
2021年11月、日本EU学会名誉会員選出。2011年1月から3月にかけてNHKラジオ第2放送で歴史再発見で「EU・ヨーロッパ統合の政治史」(全12回)を講じる。
長崎県立佐世保北高等学校の同級生には村上龍がいる。また、ベルギーのブルージュにあるEU研究のトップ校とされる欧州大学院大学(College of Europe)で学位を得た数少ない日本人であり、ジャン・レイ学年の同期には、パリ政治学院のクリスチャン・ルケンヌ(Christian Lequesne)、欧州司法裁判所一般裁判所長官のマルク・ファンデアバウデ(Marc Van Der Woude)、キース・ピルビーム(Keith Pilbeam, City University of London)国際金融論教授)などがいる。
単著
共著
EU政治研究と欧州議会研究では、多方面で活躍する研究者からパイオニア的、実証的と高い評価を得ている。学会では、15年以上の理事経験者を条件とし、学会に長年貢献したことが条件となる日本EU学会名誉会員に2021年に選出されている。
第三者評価では、マルクス数理経済学者の松尾匡(立命館大学教授)は、児玉の『欧州議会と欧州統合』(成文堂2004年)について、久留米大学の広報誌の書評[2][要文献特定詳細情報]で、以下のように評した。
経済学徒たる評者にとっては、すでに欧州全領域で市場が一体化している以上、それを管理する公的枠組みが国ごとに分かれていることは不自然極まりない。この市場全体を統括する統一政府が形成されていくことは、当然の成りゆきに思われた。ところが専門の政治学者や政治評論家の世界ではそうではなかったらしい。その中にあって児玉教授は、欧州統合は統一連邦形成に向かうとの一貫した信念を掲げ、主権国家観念を脱却できない周囲の統合懐疑論と長年闘ってこられた。本書はまずもって、その数々を記した論争の書である。さらにその上、本書は従来顧みられることの少なかった欧州議会について、その歴史と現状を分析したほぼ唯一の研究書である。統合の進化につれて欧州議会は実質的権限を着実に獲得しており、全欧横断的政党の凝集力が進んでいくなど、国家を超えた立法機関としての実態を確実に作り上げてきている。
また作家の佐藤優は、NHKラジオ講座を基礎として,芦書房から出版された『欧州統合の政治史―EU誕生の成功と苦悩』の書評[3][要文献特定詳細情報]で、「一部のエコノミストが唱えるEU解体論が、素人談義である、ということが本書を読むとよく分かる」と語り、別途神奈川大学の専門誌の欧州特集号で、児玉をEUの「第1級の専門家」と評している[4][要文献特定詳細情報]。
さらにユーロ問題についてだけでも岩波新書を3冊出している欧州通貨問題の権威、田中素香(東北大学名誉教授)は児玉の『現代欧州統合研究』(成文堂、2021年)を「欧州議会を中軸に据えたスケールの大きなEU統合論」とし、「欧州大学院に学び、EUの要職にある同期生と意見を交換する著者ならではの研究成果」と欧州での人脈の広さも含めて、積極的に評している[5][要文献特定詳細情報]。
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