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熊野参詣道のひとつ ウィキペディアから
熊野古道の伊勢路(いせじ)とは、伊勢国・伊勢神宮から、熊野三山(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社)へ通じる参詣道であり、熊野参詣道のひとつである。伊勢神宮から熊野速玉大社までの総距離は約170km[1]。
国の史跡「熊野参詣道」(2000年〈平成12年〉11月2日指定)の一部として、2002年(平成14年)12月19日に追加指定を受けている[2]。2004年(平成16年)7月に登録されたユネスコの世界遺産『紀伊山地の霊場と参詣道』の構成資産の一部[3]。世界遺産登録区間は断続的に計32.9km[1]。
古くから、伊勢神宮と熊野三山を結ぶ交通路で『東海道中膝栗毛』にも登場し、「伊勢へ七度、熊野へ三度」と呼ばれる信仰の路であった。紀伊路などの和歌山県側の古道が貴族にも多く利用されてきたのに対して、伊勢路は主に庶民が利用する道として歴史を重ねてきた[4]。
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熊野古道として人々の注目を浴びてきたのは主に和歌山県側の道であり、庶民が主に利用した伊勢路が注目されることは1980年代までほとんどなかった[4]。一方で、1970年代頃より一部の地域住民が伊勢路に関心を抱き、山中に埋もれた古道の掘り起こしや古道ウォーキングなどの活動を開始した[5]。1994年(平成6年)には三重県と東紀州8市町村が合同で東紀州地域活性化事業推進協議会を立ち上げ、熊野古道の整備を重点施策に掲げ、伊勢路の調査と広報を開始した[4]。世界遺産化においても、伊勢路を有する三重県では、奈良県や和歌山県に比べ盛り上がりに欠けていたが、伊勢文化舎が雑誌『伊勢人』で取り上げたことで三重県民の関心が高まり、登録に至るきっかけを与えた[6]。他方で多くの東紀州の地域住民にとって伊勢路は「いつもの散歩道」という感覚であり、世界遺産登録後も基本的に認識の変化はない[7]。
2007年(平成19年)2月10日に、三重県立熊野古道センターが尾鷲市向井にオープンした[8]。同センターは伊勢路とその周辺の自然・歴史・文化を対象とし[5]、これらの保全・活用の拠点として、また世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の東の入り口としての役割を担っており[9]、熊野古道の保存や研究に関わってきた個人や団体が結集して発足した特定非営利活動法人(NPO)熊野古道自然・歴史・文化ネットワークが指定管理者として管理運営を行っている[10]。
東紀州観光地域振興公社によれば、2012年(平成24年)の熊野古道伊勢路の観光客数は273,673人であり、前年比9.3%の増加となった[11]。2014年(平成26年)に世界遺産登録から10年を迎えたことから10周年記念事業が開催され、同年の観光客数は過去最高の約429,000人を記録、経済効果は21億7千万円と推定された[12]。
1996年(平成8年)[4] | 3,000人 |
1997年(平成9年)[4] | 10,000人 |
1998年(平成10年)[4] | 30,000人 |
1999年(平成11年)[4] | 141,000人 |
2000年(平成12年)[4] | 76,000人 |
2001年(平成13年)[4] | 83,000人 |
2002年(平成14年)[4] | 92,000人 |
2003年(平成15年)[4] | 113,000人 |
2004年(平成16年)[4] | 156,000人 |
2005年(平成17年)[4] | 146,000人 |
2012年(平成24年)[11] | 273,673人 |
2014年(平成26年)[12] | 429,000人 |
2023年(令和5年)[12] | 304,695人 |
2012年(平成24年)に最も観光客数の多かった「浜街道・花の窟」には3割に相当する91,844人が訪れた[11]。2位は馬越峠、3位はツヅラト峠であった[11]。始神峠は山中に埋もれていたところを地域住民により発掘・再整備されて通行可能となった[13]。
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