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「指導政党」と規定された共産党が衛星政党を統率する独裁体制・ヘゲモニー政体 ウィキペディアから
人民民主主義(じんみんみんしゅしゅぎ、People's Democracy)とは、社会主義国の政治体制のひとつで、ソビエト連邦などの共産党による一党制(一党独裁制)に対して、人民戦線方式を反映した複数政党制のこと[1]。第二次世界大戦後の東欧諸国、中華人民共和国、朝鮮民主主義人民共和国などが採用した。
ただしこれらの諸国では憲法等で共産党が指導政党と定められており、各政党も共産党の指導を受ける(衛星政党)ため、野党は存在せず政権交代は発生しない(ヘゲモニー政党制)。
マルクスによると資本主義社会から共産主義社会への移行期間には労働者階級によるプロレタリア独裁が必要となり、更にレーニンによると労働者階級の利益は単一の前衛党により代表されるものである。このため、ソビエト連邦はプロレタリア独裁の代わりとして、ソ連型社会主義に導入し、共産党による一党独裁制(一党制)を敷き他政党の存在も認めなかった。
一方で戦間期から第二次世界大戦後にかけて、資本主義諸国や植民地諸国における共産党は、人民戦線や民族解放戦線といった反ファシズムや反帝国主義の大義に基づいた共同戦線(統一戦線)を共産党以外の勢力と結成するケースが多くなった。人民民主主義体制はこの枠組みに基づいた、前衛的労働者階級のみならず広範な人民の利益を代表せんとする政体である。よって人民民主主義体制では、共産党以外の民族主義政党、農民政党、社会民主主義政党、宗教政党、さらにはブルジョア政党なども、共同戦線のもとに議会の議席などを認められていることが多い(衛星政党)。しかし、共産党が党の指導性に基づいて政治を支配しており、実態は一党独裁制である(ヘゲモニー政党制)。
議会の選挙も、例えば旧東ドイツでは議会の選挙は予め議席の配分が決まったリスト(当然支配政党の議席が最大)に賛成か反対かを問うものでしかなく、これでは議会での議席の変動などが起こるはずもなかった。
東ヨーロッパに存在した人民民主主義国家の議会選挙では、指導政党と諸政党が統一名簿を作成し、統一名簿に対する信任投票が行われた。
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