二位尼 (小惑星)

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二位尼 (小惑星)

(4959) 二位尼(にいのあま、英語: Niinoama)は、小惑星帯にある小惑星の一つである。1991年8月15日アマチュア天文家浦田武名取亮静岡県清水市(現・静岡市清水区)にあったJCPMやきいも観測所(JCPM ヤキイモ・ステーション)にて行った観測から発見された[1]。新天体としての公式な発見は1991年であるが、その約40年前の1950年5月10日パロマー天文台によって観測されていたことが明らかになっており、これも含めて、小惑星センター (MPC) には1991年の公式な発見までにパロマー天文台やサイディング・スプリング天文台ヨーロッパ南天天文台 (ESO) などによって合計36回に渡って観測されていた記録がある[9]

概要 二位尼 4959 Niinoama, 仮符号・別名 ...
二位尼
4959 Niinoama
Thumb
光度曲線解析から推定される (4959) 二位尼の形状
仮符号・別名 1958 TZ、1966 CB、
1968 MC、1972 EB、
1979 OU13、1980 TG1
1980 TS8、1984 OO、
1985 OD、1986 VS1
1989 FE1、1991 PA1[1]
分類 小惑星
軌道の種類 小惑星帯(外帯)[2]
発見
発見日 1991年8月15日[1]
発見者 浦田武[1]
名取亮[1]
発見場所 JCPMやきいも観測所[1]
 日本静岡県
軌道要素と性質
元期:TDB 2,460,600.5(2024年10月17.0日[1]
軌道長半径 (a) 3.147 au[1]
近日点距離 (q) 3.112 au[1]
遠日点距離 (Q) 3.183 au[1]
離心率 (e) 0.011[1]
公転周期 (P) 2039.550 [1]
(5.584 [1]
軌道傾斜角 (i) 8.999°[1]
近日点引数 (ω) 318.612°[1]
昇交点黄経 (Ω) 128.682°[1]
平均近点角 (M) 230.180°[1]
最小交差距離 2.134 au(地球軌道に対して)[1]
物理的性質
直径 26.50 ± 0.73 km[3]
27.96 ± 2.4 km[4]
35.842 ± 0.117 km[5]
36.21 ± 0.80 km[6]
42.507 ± 0.576 km[7]
自転周期 4.73 ± 0.01 時間[8]
スペクトル分類 C(仮定)[2]
絶対等級 (H) 10.8[3][4][6][7]
11.15[1]
アルベド(反射能) 0.0468 ± 0.0109[7]
0.066 ± 0.003[6]
0.079 ± 0.010[5]
0.1082 ± 0.021[4]
0.120 ± 0.014[3]
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特徴

(4959) 二位尼は、太陽から約 3.147 au(約 4億7078万 km)離れた軌道長半径を持つ軌道を5年半余りの公転周期で公転している[1]。軌道の離心率が約 0.01 と非常に小さい真円に近い軌道を描いており[1]、小惑星帯の中でも比較的外側を公転している小惑星の一つである[2]

測光観測を用いて自転に伴う光度曲線の変化を観測した研究では、この小惑星には自転に伴う見かけの等級の変化が 0.32 ± 0.04 等級発生しており、光度曲線の振幅からその自転周期は約4.7時間であると見積もられている[8]赤外線観測衛星のIRASあかり広視野赤外線探査機 (WISE) よる観測結果から求められる大きさには研究によって約 26.5 km から約 42.5 km と幅があり、アルベド(反射率)も約 0.04 から約 0.12 と差がある[3][4][5][6][7]

命名

固有名の Niinoama は、日本平安時代に活躍した平清盛の妻として知られる二位尼(1126年 - 1185年)に因んでいる[10]。二位尼は壇ノ浦の戦いでの敗北に際し、孫の安徳天皇を抱いて入水したと伝わる。

浦田は多くの小惑星に『平家物語』に登場する平安時代末期(保元平治の乱から源平合戦にかけて)の歴史人物の名を付けている。二位尼の命名は1992年11月10日付で小惑星センターより発行された小惑星回報「M.P.C. 21132」において(4896) 巴御前(4945) 池禅尼、および二位尼の娘に因む (5242) 建礼門院とともに命名が公表された[10]。この他に、二位尼周辺の人物としては夫の (4375) 清盛や孫の (3902) 安徳が浦田によって小惑星に命名されている。

関連項目

出典

外部リンク

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