東京都出身。1985年東京大学大学院修士課程修了、文学部英文科助手、埼玉大学教養部助教授、明治大学英文科助教授、2006年学習院大学文学部英米文学科教授。
1999年、『ヴァーチャル・フィクション』にて第4回アメリカ学会・清水博賞受賞。小説家の村上春樹が1986年にジョン・アーヴィングの『熊を放つ』を翻訳する際、柴田元幸、畑中佳樹、上岡伸雄、斎藤英治、武藤康史の5人でチームを組んでバックアップをした[2]。
フィリップ・ロス、ドン・デリーロなど現代アメリカのノーベル文学賞候補クラスの作家を翻訳、特にデリーロの大著『アンダーワールド』の訳では豪腕ぶりを示した。また2007年には『青春と読書』に青春小説「この風にトライ」を連載、刊行した。
- 『ヴァーチャル・フィクション マルチメディア時代のアメリカ文学』(国書刊行会) 1998
- 『現代英米小説で英語を学ぼう』(研究社) 2003
- 『ニューヨークを読む 作家たちと歩く歴史と文化』(中公新書) 2004
- 『洋書事始は映画から - 英語で読みたい原作60選』(NHK出版〈生活人新書〉) 2007
- 『この風にトライ』(集英社) 2007、のち改題『風の教室』(中公文庫)
- 『英語力は英訳本でみがく - 日本の文豪作品からオタク文学まで』(NHK出版) 2009
- 『釜石ラグビー 栄光の日々 - 松尾雄治とくろがねのラガーたち』(中央公論新社) 2011
- 『テロと文学 9・11後のアメリカと世界』(集英社新書) 2016
編著
- 『文学から見た歴史』(野田学, 米塚真治共編注、ジエムコ出版) 2001
- 『英語達人読本 音読で味わう最高の英文』(斎藤兆史対談、中央公論新社) 2004
- 『アメリカ合衆国の地理』(ジエムコ出版) 2005
- 『名演説で学ぶアメリカの歴史』(研究社) 2006
- 『名演説で学ぶアメリカの文化と社会』(研究社) 2009
- 『アメリカの名演説 リーディング・テキスト』(佐久間みかよ, 田村理香共編著、研究社) 2010
- 『ノーベル文学賞にもっとも近い作家たち いま読みたい38人の素顔と作品』(共著、青月社) 2014 - ドン・デリーロ、フィリップ・ロスを担当
- 『カウガール・ブルース』(トム・ロビンズ、集英社) 1994
- 『港湾(シッピング)ニュース』(E・アニー・プルー、集英社) 1996、のち改題『シッピング・ニュース』(集英社文庫) 2002
- 『ダンス・ミー・アウトサイド』(W・P・キンセラ、集英社文庫) 1997
- 『マンボ・ジャンボ』(イシュメール・リード、国書刊行会) 1997
- 『アコーディオンの罪』(E・アニー・プルー、集英社) 2000
- 『ヒューマン・ステイン』(フィリップ・ロス、集英社) 2004
- 『ダイング・アニマル』(フィリップ・ロス、集英社) 2005
- 『ジェシー・ジェームズの暗殺』(ロン・ハンセン、監訳、集英社文庫) 2007
- 『最終兵器の夢 - 「平和のための戦争」とアメリカSFの想像力』(ブルース・フランクリン、岩波書店) 2011
- 『われらが背きし者』(ジョン・ル・カレ、上杉隼人共訳、岩波書店) 2012、岩波現代文庫 2016
- 『老ピノッキオ、ヴェネツィアに帰る』(ロバート・クーヴァー、斎藤兆史共訳、作品社) 2012
- 『ザ・ゼロ』(ジェス・ウォルター、児玉晃二共訳、岩波書店) 2013
- 『サブミッション』(エイミー・ウォルドマン、岩波書店) 2013
- 『情事の終り』(グレアム・グリーン、新潮文庫) 2014
- 『ノワール』(ロバート・クーヴァー、作品社) 2014
- 『一時帰還』(フィル・クレイ、岩波書店) 2015
- 『裏切りの晩餐』(オレン・スタインハウアー、岩波書店) 2016
- 『さあ、見張りを立てよ』(ハーパー・リー、早川書房) 2016
- 『ビリー・リンの永遠の一日』(ベン・ファウンテン、新潮社、新潮クレスト・ブックス) 2017
- 『小説ライムライト チャップリンの映画世界』(チャールズ・チャップリン, デイヴィッド・ロビンソン、大野裕之監修、南條竹則共訳、集英社) 2017
- 『存在感のある人 短篇小説集』(アーサー・ミラー、早川書房) 2017
- 『ゴーストタウン』(ロバート・クーヴァー、馬籠清子共訳、作品社) 2017
- 『シンパサイザー』(ヴィエト・タン・ウェン、早川書房) 2017、ハヤカワ文庫(上・下)も同時刊
- 『ワインズバーグ、オハイオ』(シャーウッド・アンダソン、新潮文庫) 2018
- 『美しく呪われた人たち』(スコット・フィッツジェラルド、作品社) 2019
- 『LESS レス』(アンドリュー・ショーン・グリア、早川書房) 2019
- 『ラスト・タイクーン』(スコット・フィッツジェラルド、作品社) 2020
- 『退屈とポスト・トゥルース』(マーク・キングウェル、集英社新書) 2021
- 『ウォーターダンサー』(タナハシ・コーツ、新潮社、新潮クレスト・ブックス) 2021
- 『革命と献身 シンパサイザーⅡ』(ヴィエト・タン・ウェン、早川書房) 2021
- 『戦争に行った父から、愛する息子たちへ』(ティム・オブライエン、野村幸輝共訳、作品社) 2023
ドン・デリーロ
- 『アンダーワールド』(ドン・デリーロ、高吉一郎共訳、新潮社) 2002
- 『ボディ・アーティスト』(ドン・デリーロ、新潮社) 2002、ちくま文庫 2011
- 『コズモポリス』(ドン・デリーロ、新潮社) 2004、新潮文庫 2013
- 『墜ちてゆく男』(ドン・デリーロ、新潮社) 2009
- 『天使エスメラルダ 9つの物語』(ドン・デリーロ、柴田元幸, 都甲幸治, 高吉一郎共訳、新潮社) 2013
ジョン・アーヴィング『熊を放つ』、中央公論社、1986年5月、訳者あとがき。