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フタマタクワガタ属 (フタマタクワガタぞく、Hexarthrius) は昆虫綱甲虫目クワガタムシ科の属の1つ。学術名からへクサトゥリウス属と呼ぶこともある。
学名(属名)の Hexarthrius は、それぞれギリシャ語で「六つの」を意味する接頭辞 hexa- と「関節」を意味する単語 arthron 、そして接尾辞 -ius を組み合わせたもので、「六つの関節のあるもの」の意味である[1]。
雄の体長が最小で50mm以下、最大で110mmを超える種を含み、大型種の多い分類群である。 雄の大アゴ先端が二股になっていることが属和名の由来だが、本属の全ての種がこの特徴を有するということではなく、本属のみに該当する特徴でもない(シカクワガタ属やミヤマクワガタ属なども二股状の大アゴを持つだけではなく、本属以上に先端が開いている種も存在する。)。
シカクワガタ属やノコギリクワガタ属に近縁のグループであり、前者と似通っているフォルスターフタマタクワガタや後者と似通っているビタリスフタマタクワガタなど、形態的にいずれの属に近い種もあるため統一性は低いが、学名の"Hexarthrius"が "六節"を示す通り、6つの片状節を持つ触角が本属全種に共通する特徴である。(このような触角を持つ分類群は他にも幾つかあるが、どれも姿が大きく異なるため区別は容易い。)更に前述グループには無い特徴として、一部種を除いて多くの種に、頭部にミヤマクワガタ類などに見られる頭盾と呼ばれる突起が、瘤状に発達する傾向が見られる。
雄はとても気性が荒く、強力な大顎で同種、他種を含めて激しく攻撃したり、気が合わないメスを殺してしまう事もあるが、戦闘が長引くのは嫌いらしく、膠着状態になると自ら退散してしまう習性がある上、一度戦意を喪失してしまうとそれがすぐには回復しないなど臆病な面もある(近縁のノコギリクワガタ属やシカクワガタ属にも同様の習性がみられる)。
雌は飼育下では産卵木に産卵し、幼虫もそこで孵化、成長する。但し、本属幼虫は発酵マットでも菌糸ビンでもよく育つ。
かつて独立種として記載されたキルヒナーフタマタクワガタ(H. kirchneri)はパリーフタマタクワガタとマンディブラリスフタマタクワガタの自然交雑個体であり、学名はH. p. paradoxusのシノニムとされた。また、アンドレアスフタマタクワガタ(H. andreasi)もパリーフタマタクワガタとリノケロスフタマタクワガタの交雑個体と思われる。
主流に従い、ここはH. andreasiを含む15種としてリストする。
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