リタッチ
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打者が飛球(フライまたはライナーの打球)を打ち、これを野手が捕球した場合、走者は投球当時に占有していた塁まで戻り、これに触れ直さなければならない。これを走者のリタッチの義務という。走者が一旦リタッチを果たせば、その後に離塁して次塁への進塁を試みる(タッグアップ)ことは差し支えない。 特に安打性の打球が好守備によって阻まれ飛球になってしまった場合は走者が塁に戻りきれずダブルプレーとなるケースはしばしば見られる。 打者が飛球になった際に走者が離塁してよいのは、野手が最初に飛球に触れた時点である。この時点またはそれ以後に走者が投球当時の占有塁に触れておれば、走者はリタッチの義務を果たしたことになる。従って、タッグアップを試みる走者は、飛球が野手に捕球される前に予め帰塁しておき、触塁した状態で待機し、捕球もしくは野手が最初に飛球に触れたタイミングで塁を離れるようにすれば、リタッチの義務を果たしつつ早いスタートを切ることができる。これに対し、塁の後方から走り出して、途中で塁に触れて次塁へ向かう(フライングスタート)のは、正規のリタッチとは認められない[2]。ただし2019年より守備側のアピールがあればアウトになると明記された。
リタッチの義務を果たしていない走者は、守備側のアピールによってアウトになる[3]。ただし守備側のアピールが無ければ正規の走塁としてみなす(第4アウト参照)。
飛球が捕球された際に離塁していた走者が、次塁またはそれよりも先の塁に進んでしまっている場合は、それらの既に通過した塁も順番に触れ直した上で投球当時の占有塁まで戻らなければならない[4][5]。途中の塁を空過して投球当時の占有塁に戻ってしまった場合は、守備側からのアピールがあれば走者はアウトになる[6]。
下記はいずれも、日本プロ野球において外野フライを捕球された後に一塁走者が二塁に触れずに一塁に帰ってしまったためにアピールアウトになった例(所属チーム名は当時のもの)。
捕手によって正規に捕球されたファウルチップは、飛球の捕球ではない。従って、盗塁が敢行された時にファウルチップが起こっても、リタッチの義務は発生しない。
捕手によって捕球されなかったものは、ファウルチップではなくファウルボールである。
ファウルボールが捕球されなかった場合に、ボールデッドとなって走者が投球当時の占有塁に戻ることもリタッチと呼ぶ。球審は走者全員のリタッチを確認するまでボールインプレイの状態にしてはならない[9]。この場合は、途中の塁を踏まずに投球当時の占有塁に戻ってよい[4]。
公認野球規則5.09(b)(5)に、
フェア飛球、ファウル飛球が正規に捕らえられた後、走者が帰塁するまでに、野手に身体またはその塁に触球された場合。
と示されている。「投手の投球当時」とは具体的にいつかについては、公認野球規則には明記がないが、MLB審判マニュアルにおいて、投球当時とは、「投手が打者への投球動作を開始し、規則により、打者へ投球する以外にできなくなったとき」と定義されている。
日本においてもプロはMLBと同様の解釈を採っているが、アマチュア野球では2014年まで「投手が軸足を投手板上に位置したとき(オン・ザ・ラバー)」という解釈が採られていた。現在のMLBと同じ解釈に改められたのは2015年(新解釈の適用開始は2016年から)である。
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野球において投手が投球モーションに入ったら、走者はハーフウェーまでリードを取って打撃を見届けるべきである。特に一塁走者がこの走塁法を怠ると、フォースアウトの可能性が増大して危険である。その一方で、ヒットエンドランの様にハーフウェーに止まる事無く占有塁から離れすぎるとアピールアウトの可能性が増大して危険である。
ただしソフトボールにおいては、投手が打者へ投球するまで、走者の離塁は禁じられている。
リタッチを考慮した基本的走塁法として、一般的に走者はハーフウェーで打撃を見届けた後に次の様な走塁を敢行する。
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