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ラス・アル・ティン宮殿(ラス・アル・ティンきゅうでん)は、エジプトアレキサンドリア郊外に存在する、かつて宮殿(ハレム)として用いられた政府施設。
19世紀半ばに、ムハンマド・アリーが建設に着手したが、完成したのは彼の死後である1854年。完成後は、彼の後継者たちが夏場の別荘として用いた。
1892年、さらに北東方向の海に面した場所に離宮が造成され、ラス・アル・ティン宮殿は、生活としての場から切り離され、公務用に改築された。
その後も王家の施設として使用されていたが、1952年にムハンマド・ナギーブ、ガマール・アブドゥン=ナーセルらが起こしたクーデター(エジプト革命)の際には、滞在していたファルーク1世が宮殿からそのまま国外追放されてしまい、宮殿が事実上の王家終焉の地(後継の王は幼児で、戴冠せず廃位)となった。
現在、宮殿は政府の施設となっており一般に公開はされていない。宮殿を訪れた日本人は数少ないと考えられ、記録されているのは1992年に同地でムバラク大統領と会談した池田大作(現創価学会名誉会長)のみである。なお、創価学会の資料には、同宮殿をラス・エル・ティン宮殿と記されている。
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