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ヤマハギ(山萩[3]、学名: Lespedeza bicolor)は、マメ科ハギ属の顕花植物。秋の七草のハギは本種を指す[4][3]。アジア原産で[5][6]、山野にふつうに見られるハギで[4]、観賞植物として広く栽培されている。
本種は、非常に様々な見栄えとなり、品種改良されてきた。日本、朝鮮半島、中国、ウスリーに分布する[7]、日本では北海道、本州、四国、九州に分布し[4]。アメリカ合衆国では、最初に1856年に観賞植物として導入され、その後いく度かにわたって導入されたようである。アメリカ合衆国の南西部のような一部地域では、外来種として、また帰化し野生化している[8]。
単にハギともよばれ、ハギといえばヤマハギを表わすこともある[7]。「ハギ」には「萩」の漢字があてられており、これは日本で作られた国字である[7]。古株からよく芽を出すことから、ハギの名には「生え芽」の意味がある[7]。英語では、一般名 shrubby bushclover、shrub lespedeza、bicolor lespedeza でも知られる。
落葉広葉樹[4]。一般に、高さと幅が1 - 3メートル (m) まで育つ直生の小低木で[3]、寒冷気候ではより小さくなる[8]。単一の生育期の間に、地表から1.5 mまで成長できる[6]。品種の Little Buddy は3フィート (0.91メートル)に成長し[9]、とヤクシマでは1.5フィート (0.46メートル)で[10]、本種はしっかりした根系から育つ。樹皮は淡赤褐色で、皮目が縦のすじに並ぶ[11]。茎は直径3センチメートル (cm) となりえる。細い小枝が多数出て、枝には稜と毛がある[11]。枝はほとんど垂れないので、枝が下垂するミヤギノハギとは区別がつく[4][3]。葉は3出複葉で、小葉は広楕円形または広倒卵形で長さ5 cmまで、裏面は微毛があり、白色を帯びる[3]。秋は黄葉し、黄色から褐色に色づく[3]。母種はエゾヤマハギで、ヤマハギの葉はややとがる[3]。
花期は6 - 9月[4]。花序は、葉のつけ根から長い柄を出して、エンドウのような総状花序となり[8]、長さ12 - 15ミリメートル (mm) の蝶形の紅紫色の花を10個ほどつける[4][3]。花の萼の先が丸い[12]。果期は10 - 11月[3]。実は長楕円形の約1 cmの豆果で、種子は1粒入る[4]。
冬芽は互生し、楕円形で褐色をしている[11]。冬芽を包む芽鱗は、内側に白い毛が密生する[11]。冬芽のわきに托葉が残り、葉痕は半円形で維管束痕は不明瞭である[11]。冬に枯れる枝も多いが、黒ずんだ果実や花序軸、葉をつけて残る枝もある[11]。
日本での利用としては、観賞用に庭木や公園樹としてよく植えられ[11]、茶花として好まれる[4]。マメ科で栄養価が高く、放牧で食べられてもすぐに芽を出して再生力が強いことから、古くは家畜の飼料としても用いられた[12]。ヤマハギの葉は、茶葉の代用とされ茶にされることがある[13]。花が咲き終わる時期に根を掘り、根を水洗いし適当な大きさに刻み日干しにし、婦人のめまい、のぼせに対し、3 - 5グラムを水を加え半量まで煮詰めることで煎じて飲む[14]。
日本現存で最古の和歌集『万葉集』で詠まれている植物の一つで、その中でもハギが一番多く詠み込まれている[7]。『万葉集』では、秋の到来を告げる花として詠まれ、うち23種は鹿と組み合わされている[7]。花札では、ハギは猪と一緒に描かれている[12]。ヤマハギの花言葉は、「思案」「内気」とされる[7]。
葉にジメチルトリプタミン (DMT) を含有することが確認されている[15]。根にジメチルトリプタミン (DMT)、クレアチニン、エリオジクチオールが含まれる[14]。
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