Loading AI tools
1981年公開の映画 ウィキペディアから
『モーニング・ムーンは粗雑に』(モーニング・ムーンはそざつに)は、1981年に公開された日本映画。制作はアミューズ、配給はスーパーハリウッド。
『モーニング・ムーンは粗雑に』という題名は桑田佳祐の命名[1]。「ビートルズナンバーからのいただき」と当時の映画誌に書かれているが「ジュリア」の歌詞の一部かどうかははっきり書かれていない。
アメ車・ダッジを手に入れたばかりの20歳の青年と女子短大生が横浜で出会い、1日だけのストーリーをサザンオールスターズの音楽に乗せて描く[1]。
下記の楽曲はいずれもサザンオールスターズによる。
1970年代後半から、映画製作に映画外企業からの参入が増え、同時に独立プロの映画作りも盛んになった[2]。1981年3月、音楽事務所・アミューズが「アミューズ・シネマ・シティ」(略称:ACC)[3]という映画製作の会社を設立し、旗揚げとして3本の企画を発表した[2]。アミューズ創業者である大里洋吉は、音楽に情熱を傾けるのとは別に、学生時代から熱狂的な映画ファンという熱い胸の内が映画製作に走らせたという[4]。アミューズの当時の看板タレントはサザンオールスターズ、ジューシィ・フルーツ、岡林信康だった[2]。本作『モーニング・ムーンは粗雑に』を第一作に、小林竜雄脚本、新人・渡辺正憲監督で、公募の新人を主役にメルヘン風シティーロマンを、第二作は小林竜雄監督で『いつだってヘビータイム(仮題)』、第三作は桑田佳祐主演で、瀬戸内シージャック事件を描いた青春もの[注 1]を予定していると発表した[2]。会社の特徴としてサウンドに力を入れると説明し『モーニング・ムーンは粗雑に』は、桑田佳祐が音楽を手掛けると話した[2]。配給のスーパーハリウッドは、代表が大里洋吉のため[5]、同じアミューズ系列のニューミュージックの興行を手掛ける会社と見られ[2]、上映方法は全国180都市の市民会館やホールで上映すると説明した[2]。1980年に東京キッドブラザースが自主映画『霧のマンハッタン』をこの方式で上映をした[2]。
本作は「ヨコハマを舞台に、ふとしたことで出会った青年と女子大生の〈愛のような〉ふれあいから別れにいたる甘美で切ない24時間の行動を描く青春映画」とは発表されていた[6]。このため「何やら『アメリカン・グラフィティ』風」といわれた[4]。
1981年5月、『モーニング・ムーンは粗雑に』の製作発表記者会見が行われ[1]、1万3000人の主役募集のオーディションに合格した主役の明治学院大学生の斎藤淳之介[5]、高樹澪[7]、 監督の渡辺正憲、サザンオールスターズのメンバーが出席した[1]。高樹は本作のヒロイン名から芸名を付けた[5]。製作費約5000万円[1]、横浜を中心にオールロケと発表。監督の渡辺正憲は渡辺プロダクション出身で、ナベプロ企画の映画やテレビドラマに関わってきた人で映画の監督は初めて。「『ジョンとメリー』みたいな話をやってみたい」と述べた。桑田佳祐は「これまでの日本映画の音楽は、もうひとつポップになり切れていないような気がするので、こんどは思いっきりやってみたい」と話した[1]。3月の発表のときは全国180都市の市民会館やホールで上映すると説明したが、7月中旬から全国70都市のホールや公会堂で上映すると修正された[1]。
1981年6月21日にプレミアショーがあり(場所不明)[8]、サザンオールスターズの演奏付きだった[8]。1981年8月2日から10日までと、13日から16日まで東京銀座山野楽器4Fホールで、13時、15時、17時の1日3回の上映があった[9]。前売1200円、当日券1400円[9]。このときのキャッチコピーは「青春は小さな戦争です」だった[9]。またサザンオールスターズのアルバム『ステレオ太陽族』が発売された時期で、山野楽器で同アルバムを購入すると先着1000名に『モーニング・ムーンは粗雑に』の招待券が与えられた[9]。
「ロードショー」1981年10月号に「10月下旬からTCCチェーンで公開」と書かれているため[10]、1981年6月21日から先のような上映があり[10]、1981年10月下旬からTCCチェーン(東映系)[注 2]で全国公開したものと見られる。
上映から5年後の1986年にアミューズからビデオ化され2003年にDVD化され、90年代に深夜で唯一のTV放送が行なわれた。
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.
Every time you click a link to Wikipedia, Wiktionary or Wikiquote in your browser's search results, it will show the modern Wikiwand interface.
Wikiwand extension is a five stars, simple, with minimum permission required to keep your browsing private, safe and transparent.