メガラプトル

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メガラプトル

メガラプトルMegaraptor)は後期白亜紀アルゼンチンに生息していた肉食恐竜。前肢に巨大な鉤爪をもつことで知られている。

特徴

メガラプトルは後期白亜紀前期(約9000万年前)の南アメリカ大陸に生息していた軽量かつ細身な大型獣脚類である。その最大の特徴は学名の由来にもなった前腕の三日月型の鉤爪(シックルクロー)である。このシックルクローはドロマエオサウルス科のそれと断面が酷似しており、その使い方も同様に刺突よりも切り裂きに秀でたものであったと考えられている。一方で狙う獲物はドロマエオサウルス科のように自身の数倍の体重はあろうかという種類ではなく、どちらかと言えば自身より小柄〜同体格の獲物(例えば中型の鳥脚類竜脚類の幼体)を狙っていたと思われる[1]

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メガラプトルの鉤爪(左)と前肢(右)

分類

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カルカロドントサウルス類として復元されたメガラプトルの骨格(左)と、基盤的テタヌラ累として復元されたメガラプトルの復元図(右)

原記載では、シックルクローがドロマエオサウルス類らと類似するが他の要素に差異が見られるとして、疑問符付きでコエルロサウルス類としている[2]

かつては小型獣脚類ドロマエオサウルス類の中で最大の属と言われていたが、実は35センチメートルもある巨大な鉤爪が後脚ではなく前脚に位置していたことが分かり、大型獣脚類のカルノサウルス類あるいはスピノサウルス類と考えられた。近年になってカルノサウルス類の中でもカルカロドントサウルス類に近かった、あるいは原始的なティラノサウルス類、もしくは独自のコエルロサウルス類に属するという説もあり、いずれにせよ化石が断片的なため、テタヌラ類であること以外は分類がいまだにはっきりしていない。日本で化石が発掘されたフクイラプトルはメガラプトルと近縁と見られている。一部では南アメリカ大陸から産出して厳密な分類が確定していない獣脚類のグアリコに近縁とする考えもあったが、新たに発掘された成体の上腕骨を調査した結果、解剖学的に明確な差異が確認され、両者が遠縁であったことが示された[3]

以下のクラドグラムはRolando et al. (2022)に基づく[4]

メガラプトル類

プウィアングヴェナトル

ヴァユラプトル

フクイラプトル

メガラプトル科

Australian megaraptorid indet. (LRF 10/106)

アウストラロヴェナトル Thumb

系統群A

アオニラプトル

Bajo Barreal Formation megaraptorid indet. (UNPSJB-Pv 944/958)

メガラプトル

ムルスラプトル
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系統群B

オルコラプトル Thumb

トラタイェニア英語版

マイプ

アエロステオン
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古環境

メガラプトルはチューロニアンコニアシアン階のPortezuelo層から産出している。同層からは恐竜では竜脚類フタロンコサウルスバアルサウルスマラルグエサウルス、獣脚類のネウケンラプトルウネンラギアパンパラプトルパタゴニクスエレムガセムらが知られる。その他の生物では硬骨魚レウフイクティス、亀類ポルテズエロエミス、プロケリデルラ、翼竜アルゲンティナドラコなども産出している。

ギャラリー

脚注

関連項目

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