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日本のOVA ウィキペディアから
『装甲騎兵ボトムズ 赫奕たる異端』(そうこうきへいボトムズ かくやくたるいたん)は、テレビアニメ『装甲騎兵ボトムズ』の続編に当たるOVA。全5話。
テレビシリーズ『装甲騎兵ボトムズ』が終了した時点で、監督(本作では総監督)の高橋良輔は「最終回のラストシーン以後は作らない」といった主旨の発言をしていた。それでも続編という形での新作を望むファンや業界関係者の声は相当数あり[1]、それらの声に後押しされる形で製作されたのが本作である。しかし、実際に作品を見たファンからは抗議が殺到[2]、特にヒロインのフィアナが力尽きてしまうストーリー展開にはスタッフ内部からも批判の声が上がったという[3]。高橋にとっても本作の製作は不本意なものであったらしく、自ら手がけたテレビシリーズのノベライズのあとがきでも「諸般の事情で製作に踏み切ってしまったのです」と記している[4]。
オープニングアニメーションは原画を川元利浩が手掛け、塩山紀生がキャラクター、吉田徹がメカニックの作画監督を担当。スコープドッグの砲撃シーンでの機体の反動描写は今西隆志の指示により、陸上自衛隊の戦車による砲撃を収めた演習ビデオを参考に作画された。
本作の英題は製作スタジオ内で広く募集され、制作進行であった小原正和の発案による『THE DEFROST』が採用された[5]。
アストラギウス暦7247年、キリコとフィアナが眠りについて32年が経過していた。ギルガメスとバララントの両国家による激戦が展開される中、負傷した兵士を前線から後方へと送り届けるコールドカプセルの一群の中に、キリコとフィアナを収めたカプセルが紛れ込む。
ギルガメス連合に属する惑星マナウラの衛星軌道に浮かぶ宇宙工場群コンプラントで2人に蘇生処置が行われキリコは蘇生するが、フィアナは蘇生不良状態のままいずこへか連れ去られてしまう。フィアナを追い求めるキリコは、汎銀河宗教結社マーティアルの権力闘争に巻き込まれていく。
ギルガメス・バララント双方の国家に多くの信者を持つ巨大な宗教結社。前身は惑星ジアゴノの原始宗教。後に聖地アレギウムとなる地で、ヤーダル碑と呼ばれる物体が発見された年をジアゴノ暦元年と定め、これが後にアストラギウス暦となる。惑星ジアゴノ周辺は、第四次銀河大戦の戦時下にあってなお不可侵宙域となっている。
キリコとフィアナが冷凍睡眠に入った翌年、ソノバ枢機卿を代表とする調査委員会は、キリコの素性を調査し「キリコを触れ得ざる者とする」調査書をまとめ、これが「ソノバ議定書」として議決された。
第2話の予告にも使われている「ドゥ・オステ・オワグーラ・クレ・ヤシディーロ・グラッツィ・ミト・モメンダーリ」はマーティアルの祈りの言葉であり、「神聖なる闘争の極まるところ 武なる光 照たらん」の意。
なお、『装甲騎兵ボトムズ』本編に登場する秘密結社は、マーティアルから分裂した組織である。
マーティアルの名称は英語のMartialに由来し、また役職名など全体の設定および劇中世界における役割の基になっているのは、カトリックとその総本山バチカンのスタイルとその歴史である。これらは競争、力の追求という名の「宗教」から逃れられない人間社会のメタファーとなっている(詳しくはアレギウムを参照のこと)。
テレビシリーズから32年もの時間が経過しているが、使用されているATはギルガメス・バララント両陣営とも変化していない。ここでは本作で新たに設定された物のみを挙げる。
オーデルバックラーとエルドスピーネは、出渕裕が担当したラフデザインを大河原邦男がクリーンアップしている。
LDでは『BRIEFING I』が第1話、『BRIEFING II』が第5話の初回版に、それぞれ収録された。双方とも銀河万丈がナレーションを担当。
1995年7月25日にメディアワークスから発行(発売・主婦の友社)。作画は今掛勇。
いずれもバンダイビジュアルから発売。
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