ベルリン美術館
ドイツの美術館 ウィキペディアから
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ベルリン美術館 (ベルリンびじゅつかん、Staatliche Museen zu Berlin)は、ドイツのベルリンにある美術館・博物館群である。プロイセン王家歴代のコレクションを基礎として1830年に発足した「旧博物館」がその発祥であり、以後、コレクションが増大するにつれ、新たな博物館が次々に建てられた。「ベルリン美術館」とは、単独の美術館ではなく、市内の「博物館島」(ムゼウムスインゼル)、ティアガルテン地区、ダーレム地区などに存在する多くの美術館の総称である。原語のStaatliche Museen zu Berlinは、「ベルリンの国立博物館群」の意である。日本語では、1991年にNHKの特別番組「ベルリン美術館-もう一つのドイツ統一」が放送されるなど、「ベルリン美術館」が美術館・博物館群全体を指す場合の一般的な表記となっている。
ベルリン美術館は、プロイセン文化財団によって運営され、以下の18の部門から成る総合美術・博物館である。
なお、以上18の各部門がそれぞれ1つの博物館に相当するわけではなく、1つの建物に複数の部門が展示されていたり、1つの部門が複数の博物館に分かれていたりするので、注意を要する。たとえば、ペルガモン博物館には1つの建物の中に「古代(ギリシャ、ローマ)美術コレクション」「古代近東美術館」「イスラム美術館」の展示がある。
ベルリン美術館発祥の地は、世界遺産に登録されている「博物館島」(ムゼウムスインゼル、独:Museumsinsel)である。「博物館島」は、ベルリンの中心部、シュプレー川の中洲の北半分を占め、旧博物館、新博物館、旧ナショナルギャラリー、ボーデ博物館、ペルガモン博物館の5館がある。19世紀当時、この島にはプロイセン王国のベルリン王宮があり、周辺にはベルリン大聖堂、ベルリン市庁舎などがあるベルリンの中心地であった。1830年、時のプロイセン王フリードリヒ・ヴィルヘルム3世の命によって旧博物館が開設されて以来、1世紀をかけて整備されたものである。以下に開館年次順に各館の概要を略述する。
「博物館島」の各館は、第二次世界大戦の空襲で甚大な被害を受けた。大戦中、各地に疎開させていた美術品のうち、一部は火災などで消滅し、一部はソビエト連邦軍によって持ち去られた。東西ベルリンの分離後、「博物館島」は東ドイツの管理下にあった。ソビエトに持ち去られた美術品は1958年に東ベルリンに返還されたが、英米の管理地区に疎開され、英米軍が保管していた美術品は東ベルリンにある「博物館島」に戻されることはなく、西ベルリンには東ベルリンとは別の「ベルリン美術館」が建設されることとなった。市の南西部、ダーレム地区にあり、アジア博物館として使われる予定であった建物が1956年、西ベルリン側の絵画館となり、「ダーレム美術館」と呼ばれるようになった。ここにはおもにアメリカ軍から返還された絵画が展示された。さらに1968年には西ベルリンのティーアガルテン地区にミース・ファン・デル・ローエの設計による現代建築の「新ナショナル・ギャラリー」(Neue Nationalgalerie)が開館した。
1990年の東西ドイツ統合後、それまで東ベルリンと西ベルリンに分かれていた「ベルリン美術館」の組織も統合した。従来、東ベルリンに14館、西ベルリンに14館あった博物館・美術館は統合整理され、あちらこちらの館に分かれて所蔵されていた美術品も、部門別に整理が進められた。1998年にはティーアガルテン地区の文化フォーラム (Kulturforum) 内に新しい「絵画館」(Gemäldegalerie)が建設され、従来ボーデ博物館とダーレム美術館にあった絵画のうち、18世紀以前のもの(イタリア・ルネサンス、ドイツ・ルネサンス、ネーデルラント絵画など)がこの「絵画館」に集められた。絵画に関しては19世紀のもの(19世紀ドイツ絵画、フランス印象派など)は「博物館島」の旧ナショナルギャラリー、20世紀のもの(パブロ・ピカソ、エドヴァルド・ムンク、パウル・クレーなど)はティアガルテンの新ナショナルギャラリーで展示することになり、各館の役割分担が明確になった。「博物館島」の各館は、1999年にプロイセン文化財団が決定したマスタープランによりリニューアル工事が進んでおり、完了は2010年頃の予定である。
ドイツ絵画、ネーデルラント(オランダ)絵画の主要作品を参考までに挙げる。なお、絵画部門では他にイタリア絵画、スペイン絵画、フランス印象派、ドイツ表現派などにも著名な作品が多数ある。
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