プノン・バケン寺院
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プノン・バケン寺院(Phnom Bakheng)は、カンボジアシェムリアップ州にあるヒンドゥー教山岳寺院。古都アンコールにあり、アンコール・ワット寺院の北西1,300m、アンコール・トムの南400mに位置する丘プノン・バケン(バケン山)の上に建つ[1]。10世紀初頭、ヤショーヴァルマン1世(在位889-910年)により建設された[2]。周囲の遺跡とともに世界遺産に登録されている。
ヤショーヴァルマン1世が遷都したヤショーダラブラの都の中心として須弥山(メル山)を表し建造したと伝えられる、5層の基壇の最上壇に5つの祠堂をもつピラミッド型寺院。ヤショーダラブラは一辺4kmの環濠で囲まれ、アンコール・トム(一辺3km)よりもさらに大きかったという。標高67mの[3]プノン・バケンの頂上にあり、寺院の高さは約47m[2]。第1次アンコール王都の中心的寺院である。材質は砂岩が中心。自然の地形をうまく生かし建てられている。主祠堂は、アンコール遺跡のなかで最も高い位置に建つ。5層の基壇からなり、第1基壇は一辺76mである[2]。東西南北の各面にある階段の勾配は70度になり、そこに小塔およびシンハが並ぶ[2]。5層目となる最上段に5棟の祠堂があり、中央の大祠堂とその四辺にある中祠堂により構成されており、5つの祠堂は須弥山の5つの頂を示すともいわれる[2]。5層にはそれぞれ12棟の小祠堂が配され、最下段の周囲を取り囲むように44棟のレンガ造りの祠堂が配置される。インドネシアのボロブドゥール遺跡との類似性が指摘される。
アンコール・ワットが見下ろせる唯一の場所でもあるとともに360°の展望がきき、市街地をはじめ東にアンコール・ワット、西に西バライ、トンレサップ湖、遠方にアンコール三聖山(ひとつはプノン・バケン)のプノン・ボック(標高247m[3])、プノン・クロム(標高137m[3])までが遠望できる。夕日のビューポイントになっており、夕方から多くの人でしばしのにぎわいを見せる。象に乗って登ることも可能。ふもとの駐車場付近は常に観光地的な喧騒を呈する。
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