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フードファディズム(英: food faddism)とは、食べものや栄養が健康と病気に与える影響を、熱狂的、あるいは過大に信じること、科学が立証したことに関係なく食べものや栄養が与える影響を過大に評価することである[1]。例えば、マスコミで流されたり書籍・雑誌に書かれている「この食品を摂取すると健康になる」「この食品を口にすると病気になる」「あの種の食品は体に悪い」などというような情報を信じて、バランスを欠いた偏執的で異常な食行動をとること[2]。
ファディズムとは流行へののめりこみであり、すなわちフードファディズムとは食べ物に関するのめりこみである。この言葉は早くも1952年、マーティン・ガードナーの著書に見られ、事例と科学的根拠の詳しい検討は1990年代の著書『栄養と行動』に見られる。『栄養と行動』は、食べ物の影響を検証する唯一の方法は科学的研究による立証であるとし、偏見的な見方を排除するための二重盲検法のような研究を重視している[1]。
フード(food)とは食品のことである。ファディズム(faddism)とは、一時的な流行を熱心に追いかけること[3]、流行かぶれ[3]、あるいは流行傾れ、一時的流行・「のめり込み」という意味である[4]。
米国では、早くも1952年のマーティン・ガードナーの著書In the Name of Scienceにおいてfood faddismという概念は紹介されている。1980年にその日本語訳『奇妙な論理』が出版された[5]。そこでは市場泰男は「食物のあぶく流行」という翻訳表現をあてている。
日本にフードファディズムの概念を紹介した人は、食品安全委員会リスクコミュニケーション専門調査会専門委員である群馬大学教授の高橋久仁子で、1998年頃のことだといわれている[注 1]。1991年、高橋はその年に出版された Nutrition and Behavior を読み、フードファディズムという概念を認識し、この本を翻訳し1994年に『栄養と行動』[1]として出版した[6]。
フードファディズムの対象として取り上げられるものは、いわゆる健康食品、ダイエット食品から砂糖、化学調味料、水道水と幅広く、身体に良いとされるもの、逆に害になるとされるものなど様々である[7]。また、食品業界によるロビー活動を告発したマリオン・ネスルによれば、健康への貢献に対して優れた食品とそうでない食品があるが、食品会社は良い食べもの、悪い食べものはない、自社の商品は悪くないと思わせようとしているということもある[8]。
フードファディズムに対して見て見ぬふりをするわけにはいかないのは、健康被害や詐欺という実害があるからだと指摘されている[9]。実例として、ベル・ギブソンという、有機農業で生産された食品のみを摂取することによって末期がんを克服したと称していたオーストラリア人女性が発信していた情報を真に受けた世界中のがん患者が病院での治療を中止して症状が悪化するという騒動が発生したことがある[要出典]。
フードファディズムに陥らないようにする方法、解決策は、食と健康に対するしっかりとした知識を身に着けることである[2]。
『栄養と行動』によると、食事や栄養の影響を検証する唯一の方法は科学的研究による立証であるため、研究にも再現性や客観性が求められ、また結果の偏りを最小にする被験者が多い研究や、偏見的な見方を排除するための二重盲検法のような方法をとっているかということも重要である[1]。
1990年代より、医学領域において普及し始めた「根拠に基づく医療」(EBM、 evidence-based medicine) の態度はこのような客観性を目的としている。こうした動きを受けて栄養学の領域でも、EBMが提唱されている[10]。
ハーバード大学公衆衛生学部の栄養学部の教授が最新の科学を反映させ企業や団体の影響を受けずにつくった「健康な食事ピラミッド(healthy eating pyramid)」[11]は、健康に悪い影響を与える精白された穀物、赤肉・バター、砂糖がたくさん入った飲食品を控えるということが分かりやすく図示されている。
この節には独自研究が含まれているおそれがあります。 |
このリストにあるのはフードファディズムとして判断されるものであって、実際に科学的な根拠に基づいた効果・害があるかどうかとは無関係である。
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