ヒカゲノカズラ綱

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ヒカゲノカズラ綱

ヒカゲノカズラ綱(ヒカゲノカズラこう、学名:Lycopodiopsida, Lycopsida: lycopsids)は、全ての現生小葉植物ヒカゲノカズラ目ミズニラ目イワヒバ目)が含まれるである[5]。かつて伝統的分類ではシダ植物門 Pteridophyta の一綱とされた。ヒカゲノカズラ類(石松類)を中心とした維管束植物の群ですべて小葉を持ち、リコプシダとも呼ばれる[5]デボン紀を中心とした化石植物群であるゾステロフィルム綱とともに小葉植物に含められ、現生植物では小葉植物亜門と指す範囲が一致する[4]。ゾステロフィルム類の位置に関しては議論があり[6]、本群ヒカゲノカズラ綱を指して小葉類や小葉植物類と呼ぶこともある[5]

概要 ヒカゲノカズラ綱, 分類 ...
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系統関係

要約
視点

ヒカゲノカズラ綱の系統関係は次の通りである。現生種はField ら (2015)およびWeststrand と Korall (2016b)による分子系統解析に、化石種はKenrick & Crane (1997)による系統解析に基づく[7][8][9]

ヒカゲノカズラ綱
ドレパノフィクス目

Asteroxylon

Baragwanathia

Drepanophycus

Drepanophycales
ヒカゲノカズラ目
コスギラン亜科

フィログロッサム属 Phylloglossum

コスギラン属 Huperzia

ヨウラクヒバ属 Phlegmariurus

Huperzioideae
ヤチスギラン亜科

ヤチスギラン属 Lycopodiella

イヌヤチスギラン属 Pseudolycopodiella

ミズスギ属 Palhinhaea

Lateristachys

Lycopodielloideae
ヒカゲノカズラ亜科

ヒモヅル属 Lycopodiastrum

Pseudolycopodium

Pseudodiphasium

Austrolycopodium

マンネンスギ属 Dendrolycopodium

Diphasium

アスヒカズラ属 Diphasiastrum

ヒカゲノカズラ属 Lycopodium

スギカズラ属 Spinulum

Lycopodioideae
Lycopodiales
古生リンボク目

Leclercqia

Minarodendron

Protolepidodendrales
ミズニラ目(広義)

ミズニラ属 Isoëtes

Paralycopoditesリンボク目とすることもある)

Isoëtales
イワヒバ目
イワヒバ属

S. subg. Selaginella

S. subg. Rupestrae

S. subg. Lepidophyllae

S. subg. Gymnogynum

S. subg. Exaltatae

S. subg. Ericetorum

S. subg. Stachygynandrum

Selaginella
Selaginellales
Lycopsida

特徴

下位分類

要約
視点
化石植物については「小葉植物#下位分類」を参照
Thumb
ミズスギ Palhinhaea cernua
Thumb
ヒモヅル Lycopodiastrum casuarinoides
Thumb
フィログロッサム Phylloglossum drummondii
Thumb
クラウシアナクラマゴケ Selaginella kraussiana

PPG I (2016)分類体系による現生のヒカゲノカズラ綱の分類を示す。現生属は旧来ヒカゲノカズラ属 Lycopodiumフィログロッサム属 Phylloglossumイワヒバ属 Selaginellaミズニラ属 Isoëtesスティリテス属 Stylitesの5属に分けられていたが[10] 、のちにスティリテス属がミズニラ属に内包され[11]、また分子系統解析の結果からヒカゲノカズラ属 Lycopodium s.l.はヒカゲノカズラ属 Lycopodiumヤチスギラン属 lycopodiellaコスギラン属 Huperziaに分けられた[12]。この分類では特異な形質を持つフィログロッサム属がコスギラン属に内包されてしまうため、フィログロッサム属を維持するためにより細分化された[2][7][12]

また、イワヒバ属の下位分類(亜属)はWeststrand と Korall (2016b)に基づく。古く、Jermy (1986)により亜属が整理されたが、Selaginella subg. Stachygynandrumが多系統群であったり、正確性に欠いていた[8]。その後、分子系統解析により系統関係が判明したが、分類には異説もある[8][13]

ヒカゲノカズラ綱 Lycopsida, Lycopodiopsida Bartl.

範囲

分類体系によって「ヒカゲノカズラ綱 Lycopodiopsida」の指す範囲は異なる。歴史的には、含まれる各目を別のに置いたり[16]、姉妹群であるミズニラ目とイワヒバ目をまとめて1つの綱とする2綱を置くこともあった[17][18]

さらに見る 目, Cronquist, Takhtajan & W. Zimmermann (1966) ...
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脚注

参考文献

関連項目

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