ハワード・ヒベット
アメリカ合衆国の日本文学研究者 ウィキペディアから
ハワード・ヒベット(Howard Scott Hibbett, 1920年7月27日[1] - 2019年3月13日)は、米国の日本文学研究者、ハーバード大学名誉教授。谷崎潤一郎や井原西鶴らの作品を海外に紹介し、日本文学の国際化に寄与した[2][3]。
略歴
1920年、オハイオ州に生まれる[1]。1942年からハーバード・カレッジで日本文学の研究を始め[4]、同年後半から1946年まで首都ワシントンで米軍の日本語教師を務めた[4]。1947年、学士号を取得してカレッジを卒業した後[4][5]、18世紀の日本文学に関する研究により、1950年にハーバード大学から博士号が授与された[1][4]。カリフォルニア大学ロサンゼルス校を経て1952年からハーバード大学で教え[1][4]、1958年にハーバード大学フェアバンク東アジア研究センター教授に就任した[1]。
1959年、井原西鶴を研究した「The Floating World in Japanese Fiction」をイギリスのオックスフォード大学出版局より刊行、翌年にはアメリカでも出版された。ここではヒベットは西鶴作品に「意識的な軽薄さ」を指摘している。1963年には「Seven Japanese tales(七つの日本の小説)」で谷崎潤一郎の「刺青」などをアメリカに紹介した。1964年、グッゲンハイム・フェローシップ賞を受賞し、研究助成金を受けた[6]。1965年から1年間に亘り妻のアキ子と共に日本に滞在し[1]、ドナルド・キーンやエドワード・サイデンステッカーと共に谷崎などと親交を深めた[3]。また、川端康成のノーベル文学賞受賞にも大きく関与した[2]。
ライシャワー研究所では研究員として在籍し、1985年から1988年には同所長を務めている[7]。また、ハーバード大学の学術誌主幹を多年に亘り務めた[8]。ハーバード大学の教え子にはロバート・キャンベルがいる[3]。日本国内の著作では「江戸の笑い」や「笑いと創造」の編者として関わり、日本の笑いについて考究した[3]。2018年、日本文学の優れた英訳の偉功をたたえるミヨシ夫妻賞(第1回)が、コロンビア大学ドナルド・キーン日本文化センターから贈られた[3][8]。2019年3月13日、心不全によりマサチューセッツ州アーリントンの自宅で死去した。98歳没[8]。
日本語著述
翻訳
英文著作
- The Floating World in Japanese Fiction (Oxford University Press 1959)
- The Japanese comic linked-verse tradition. Harvard-Yenching Institute, 1961
- Modern Japanese; a basic reader 板坂元共著 Harvard University Press, 1965.
- The Chrystanthemum and the Fish: Japanese Humor Since the Age of the Shoguns(菊と魚)講談社インターナショナル (2002)
脚注
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