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食パンの間にエビなどのすり身をはさんで、油で揚げた料理 ウィキペディアから
ハトシ(広東語 蝦多士、ha1do1si2、英語 shrimp toast)は、食パンの間にエビなどのすり身をはさんで、油で揚げた料理。主に東南アジアや日本の長崎で食べられている[1]。
この節には内容がありません。 (2020年9月) |
本来、広東語では「ハートーシー」のように長音で発音される。「蝦(ハー)」は広東語でエビ、「多士(トーシー)」は英語のトーストの音訳である。油で揚げたことをはっきり示すために「炸蝦多士」(ジャーハートーシー)と言うこともある。パンを用いるので現代の料理のように思えるが、すでに19世紀末には広州でも作られていた古い料理の一つといわれる。アメリカなどのチャイナタウンで出す店もある。
長崎県長崎市では、江戸時代から貿易を通じて明国、清国などとの交流があり、今の中国や東南アジアの料理も伝えられ、卓袱料理と総称されていた。明治時代に清国から伝えられたのが「蝦多士」で、長崎では広東語をまねたハトシという呼び方で広まった。一時期は家庭でも作るほど普及したが、すり身を用意するのが手間などの理由で、家庭で作ることは減り、中華料理店のメニューや、店頭販売の軽食として販売されている。また、本来のエビをつかったものの他、魚のつみれ、豚肉や豚角煮など、別の材料を使ったはさみ揚げも作られている。
広州の蝦多士は、台湾に伝わると、台湾でのトーストの呼び名「土司」、「吐司」に合わせて「蝦土司」、「蝦吐司」(中国語 シャートゥースー、xiātǔsī、台湾語 ヘートースー)と呼ばれるようになった。広東料理店などのメニューのひとつとなっている。
また、夜店の屋台でよくみかける変種として、殻と背わたを取って下味を付けたクルマエビなどを溶き卵に漬け、耳を切り落とした食パンを巻き付け、爪楊枝で止めてから油で揚げた円柱形の「土司蝦捲」、「吐司蝦捲」(トゥースーシアジュエン、tǔsīxiājuǎn)がある。これは、パン粉を食パンに変えたエビフライの変種とみることもできる。
同様、もしくは類似の料理は、ベトナムやタイでも作られている。ベトナム語ではバインミーチントム(bánh mì chiên tôm)、タイ語ではカノムパンナークン(ขนมปังหน้ากุ้ง)、ラーオ語ではカノムパンクン(ຂະຫນົມປັງກຸ້ງ)と呼ばれる。ベトナムでは食パンではなく、フランスパン(バゲット)を使ったものも多い。
エビのすり身を丸くまとめて作るえび団子には、ゆでて作るものや衣を付けずに揚げるもの(炸蝦球)もあるが、さいころ状に小さく切った食パンを衣としてまわりに付けてから揚げるものもあり、このタイプは「酥炸蝦球」(広東語 ソウザーハーカウ)と呼ばれる。これはハトシと同じ材料でできており、形状が異なっているものと見ることができる。
揚げた衣の広がり具合がアジサイの花のように見えることから、長崎ではアジサイ揚げと呼ばれるようになった。卓袱料理や中華料理における揚げ物の一品である。
長崎以外の日本の中華料理店では食パンを付けたタイプの方を目にする機会の方が多く、神戸の南京町では串刺しにして売り、名物となっている。
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