U2のアルバム ウィキペディアから
『ノー・ライン・オン・ザ・ホライゾン』 (No Line on the Horizon) は、2009年に発売された、U2のアルバム。
『ノー・ライン・オン・ザ・ホライゾン』 | ||||
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U2 の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 | 2007年6月 - 2008年12月 | |||
ジャンル | ロック | |||
時間 | ||||
レーベル | インタースコープ・レコード | |||
プロデュース | ブライアン・イーノ、ダニエル・ラノワ、スティーヴ・リリーホワイト | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
チャート最高順位 | ||||
ゴールドディスク | ||||
U2 アルバム 年表 | ||||
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U2の2000年代の活動を締め括る作品。スタジオ・アルバムとしては、前作から4年半ぶり、通算12作目のアルバムとなる。
当初、「ウィンドウ・イン・ザ・スカイズ」を手がけたリック・ルービンがプロデューサーだったが、曲を完成させてからスタジオ入りするという彼のスタイルが合わず、[3]結局、プロデューサー陣には、ブライアン・イーノ、ダニエル・ラノワ、スティーヴ・リリーホワイトという馴染みの顔ぶれに加え、ブラック・アイド・ピーズのウィル・アイ・アムが参加(5曲目の「アイル・ゴー・クレイジー・イフ・アイ・ドント・ゴー・クレイジー・トゥナイト」)。
制作作業は2007年に始まり、モロッコのフェズとダブリン、ニューヨーク、ロンドンのスタジオを経由して行われた。フェズは、メンバーが宗教行事を見学するため訪問した際、アルバムの着想を得た地であり、ここにスタジオを設立して、最初のセッションを行った。テーマは”21世紀の賛美歌”。ボノが「ボノであること、自分が彼であることに、もう飽きてしまったんだ。つまり自分自身でいることに、ウンザリしたってわけ。一人称にちょっとした限界を感じてしまったのさ」ということで[4]、いつになく3人称で書かれた歌詞の曲が多いのが特徴。
2008年にアルバムはダブルEPの形でリリースされるとアナウンスされたが、やがてDisc1が『Daylight』、Disc2が『Darkness』の2枚組アルバム、次にDisc1が『Sunrise』、Disc2が『Sunset』の2枚組アルバムになるとアナウンスされたが、結局、リリースされたのは1枚のアルバム。[5]そしてすぐに次のアルバム『Songs of Ascent』がリリースされるとアナウンスされたが、2024年現在、音沙汰がない。[6]が、曲がたくさんできたのは本当らしく、「Winter」「Soon」「North Star」「Mercy」「Every Breaking Wave」「Boy Falls from the Sky」などのアウトテイクが存在し、「Winter」はLinearや映画『マイ・ブラザー』のサントラで披露され、残りの曲は360度ツアーで披露された。
収録曲「モーメント・オブ・サレンダー(Moment of Surrender)」は、ローリング・ストーン誌による「ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング500」に於いて160位に記録している。
ちなみにこのアルバムは駆け出し時代のU2を支え、2008年に亡くなったアイランド・レコードのロブ・パートリッジに捧げられている。
ジャケットに使われているモノクロの水平線の写真は、杉本博司の作品で、ボーデン湖で撮影された『海景』シリーズの1枚「Boden Sea, Uttwil」である[7]。以前から、ボノが同シリーズを気に入っていたことから採用された[7]。杉本からは、作品提供の条件として、金銭の代わりに杉本が今後プロジェクトを行う際、本作に収録されている曲を使用出来ること、ジャケットの写真には何も入れないことの2点が提示され、ボノはすぐに快諾したという[7]。このため、ジャケットにはタイトルもバンド名も記されておらず、水平線上の「=(イコール)」もシールにしてケースに貼られている。
なお、上記を加味せずとも、公式日本語訳はタイトル曲の「ホライゾン」を「地平線」としているが元歌詞が明らかに「水平線」を意図した歌詞であり水と空との間という訳にしないと本来の意味を成さない。
# | タイトル | 作詞 | 作曲 | プロデューサー | 時間 |
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1. | 「ノー・ライン・オン・ザ・ホライゾン」 | ボノ | U2、イーノ、ラノワ | イーノ、ラノワ、リリーホワイト(add) | |
2. | 「マグニフィセント」 | ボノ、エッジ | U2、イーノ、ラノワ | イーノ、ラノワ、リリーホワイト(add) | |
3. | 「モーメント・オブ・サレンダー」 | ボノ | U2、イーノ、ラノワ | イーノ、ラノワ | |
4. | 「アンノウン・コーラー」 | U2、イーノ、ラノワ | U2、イーノ、ラノワ | イーノ、ラノワ、リリーホワイト(add) | |
5. | 「アイル・ゴー・クレイジー・イフ・アイ・ドント・ゴー・クレイジー・トゥナイト」 | ボノ | U2 | リリーホワイト、ウィル・アイ・アム(add) | |
6. | 「ゲット・オン・ユア・ブーツ」 | ボノ | U2 | イーノ、ラノワ、デクラン・ギャフニー | |
7. | 「スタンド・アップ・コメディ」 | ボノ | U2 | イーノ、ラノワ、リリーホワイト(add) | |
8. | 「フェズ-ビーング・ボーン」 | ボノ | U2、イーノ、ラノワ | イーノ、ラノワ | |
9. | 「ホワイト・アズ・スノウ」 | U2、イーノ、ラノワ | U2、イーノ、ラノワ(トラディショナルソングのアレンジ) | イーノ、ラノワ | |
10. | 「ブリーズ」 | U2 | U2 | リリーホワイト、ラノワ(add)、イーノ(add) | |
11. | 「シーダーズ・オブ・レバノン」 | ボノ | U2、イーノ、ラノワ | ラノワ | |
合計時間: |
"Linear"は、アントン・コービンによって企画された、無声のミュージックビデオである。アントンがフェズでバンドのメンバーの動かない映像を収録している時にボノがアイデアを思いついたもので、『No Line on the Horizon』収録曲の歌詞の登場するキャラクターを元にボノとアントンが脚本を書いた。人生に疲れたパリの白バイ警察官がトリポリにいる彼女に会いに行くという内容。アルバムには収録されなかった「Winter」が収録されている。映像は、白黒とカラーで構成されている。
『No Line on the Horizon』のデラックス・エディション等に収録されている。
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