種類
電話の種類はさまざまな方法で分類可能である。 たとえば伝送途中の信号の形式を基準とすると、アナログ電話 / デジタル電話 と分類される。
電話は一般的には、信号の伝送に電流や電波を用いる。光ファイバー中に流される光を利用する事も広く普及している。あまり一般的ではないが、技術的には一応「光線電話」というものもある。光を搬送波として使用するもので空間光通信の一種。直線で互いに見通せる範囲内でしか通信できないが、高速大容量の通信が可能。可視光線以外に赤外線も用いられる。近年ではデジタル式もある。
また特殊用途で、水中電話という、超音波を利用するものもあり、アナログ式とデジタル式がある。無線通信を行う際、水中は電波が激しく減衰するので、代わりに超音波を用いている。
歴史
電話の仕組み
もともとは音声を電流の変化に変換し、それをそのまま相手側の装置に伝送し、相手側の装置で電流を音声に変換した。
20世紀末ごろから普及したデジタル式電話では、変調や復調といった手順を含む。多くは得られた情報からのベースバンドを、さらに伝送経路上で符号化する方式で伝送している(搬送帯域伝送)。経路上の回路は複雑になるが、送電経路上の情報の送受信の効率が上がり、情報量や品質が良くなるというメリットがある。
電話の回線
19世紀、電話の歴史の初期には、2台の電話機だけを用いてその間を2本~4本の銅線で繋ぎ、それを繋いだままにしておき、常に2台の電話機の間だけで通話を行う素朴な電話がしばしば用いられた。現代でも特殊な場所では、2台の電話機の間を一筋の被覆電線で結び、他とは一切通話できない電話が設置されることもある。
19世紀末や20世紀前半は、電線の相互接続の切り替えは主として人間が人手で行っていた。電話の電線を相互に接続したり、接続を切り替えてやる業務を「交換業務」、その担い手を「交換手」や「電話交換手」と言った。そして「電話局」に設置された交換台(パッチパネル)を用いて電話同士を電気的に接続する方式が広く採用された。
その後、通話先を音声で交換手に伝えるのではなく電話機のパルス発信で機械的に伝える方式が開発され、手作業でやっていた相互接続や繋ぎ換えの作業を自動で行う機械も作られ(電話交換機)、徐々に広がっていった。
現代では、通常電話のシステムは電話機1機対電話機1機とはなっておらず、通話を行う時にだけ電話交換機で複数の電話機をつなぐ回線を確保する方式(回線交換)がとられる[2]。
現代の電話回線は自動交換機で世界的に相互接続され巨大な電話網を形成している。固定電話、携帯電話、衛星電話、IP電話など多種多様な電話の相互接続や、無線呼び出しへの発信も可能になっている。人間の音声での通話のためだけでなく、1990年代にインターネットへのダイヤルアップ接続などのコンピュータ・ネットワークにも利用されるようになった。
電話機
電話機は、電磁誘導の原理を利用し、音声を電気信号に変換して送り出し、受け取った電気信号を音声に変換するための機器である[3]。
交換機の動作との関係では次のように分類できる。
- ダイヤルパルス式電話機(回転ダイヤル式電話機)。数字に応じたダイヤルの穴に指を入れてストッパーのところまで回し指を抜くたびに、それに応じた回数の電気的なパルスが発信されるもの。21世紀に入ってからは新製品は登場していない。
- 押しボタン式電話機: DTMFで電話番号を発信する電話機。
- 留守番電話: 不在時の着信を録音する電話機またはサービス。
- コードレス電話: 利用者が基地局を設置する無線電話システム。
また、電話回線を使って画像を送受信する機器はファクシミリ (FAX)という[4]。ファクシミリ・複写機・イメージスキャナなどを一つの筐体に収めたデジタル事務機器は複合機と呼ばれる。
公衆電話
公衆電話は、街頭や公共交通の乗り物などに設置され、硬貨、トークン(電話専用コイン)、プリペイドカード、クレジットカード等で利用可能な電話をいう。
固定電話と移動式電話
家庭や、オフィスなどの建物に固定して設置され、月毎に通話料金を支払う有線式電話を固定電話という。
移動式電話は、かつての自動車電話やその後に登場した携帯電話などである。移動式電話には、電波で局と回線をつなぐ無線電話や、人工衛星を利用して回線をつなぐ衛星電話などがある。
通話の種類
電話の運営と経営
サービスが拡大すれば必要な施設を設置する投資も不可欠だが、投資を回収するまでの時間が生まれれば全ての利用者に一度にサービスを提供できないことで積滞が生まれた。しかし、郵便と違って利用者を拡大すれば、相対的に個人が負担する費用は段々減る法則が電話にはある。言い換えれば、ひとつの事業者の電話線の接地面積が拡大すればするだけ、利用者の負担は一定の水準まで軽くなる。同時に運営事業者が過当競争で倒れた場合は利用者へデメリットが生まれる。
この結果として積滞率解消、かつ公共サービスのコストの面から電話の事業体は公益性を追求する官営(BTグループ登場以前のイギリス方式)か、ローカル地域と基幹網を分けた上で後者についてはある程度まで行政の裁量で独占を許す形の民営にするかの(分割以前のアメリカのAT&Tがこの役割を担った)選択を国は迫られることになり、敗戦後の日本は事業体の形態を公社とすることに決定した。1980年代の通信自由化においてこの論争は再燃することになるが、日本における電電公社民営化の過程については井上照幸著『電電民営化過程の研究』(エルク ISBN 978-4434001475)が詳しい。
電話マーク
電話のマークは、「☎」、「☏」、「✆」、「℡」(TEL)。
脚注
関連項目
外部リンク
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