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テスコパールとは日本生まれの繁殖牝馬である。東京優駿(日本ダービー)に優勝したアイネスフウジンを産み、また日本競馬史上3例目となる双子を出産した。
もともと母のムツミパールには長距離型の種牡馬をつける予定だったが、たまたま生産者がテスコボーイの種付け抽選に当選し、スピード豊かな血を掛け合わせることを決意。こうして誕生したのがテスコパールであった。
テスコボーイの血を受けた牝馬は、生まれてすぐに「うちの厩舎に将来預けさせてくれないか」との申し込みがあったが、出生した翌年の1977年に悪性の下痢を発症[1][2]し、生命の危機に陥った。獣医もサジを投げるほどの重病だった[1][2]が、生産者の中村吉兵衛が「どうせ助からないなら、うまいものをたくさん食べさせてやりたい」と良質の餌を与え、水を好きなだけ飲ませた[1](水は生では飲ませられないので、電気湯沸かし器のない時代に一晩中火で煮沸してから冷ました湯を作り続け、それを与えていた)。加えて体にいいとされる薬を買い漁り、飲ませたところ一命を取り留めたが、病気の影響から競走馬としてデビューできず、そのまま繁殖牝馬となった[1][2]。
1987年に7頭目の産駒として出産した[1]アイネスフウジンが1990年の第57回東京優駿(日本ダービー)を優勝したあと、双子を受胎していることが判明した。競馬界には双子の馬は大成しないというジンクスがあるため、通常双子の受胎が判明した場合には一方の受精卵が潰されるが、発見が遅れたために処置を施す機会を逸し、2頭とも出産することとなった。当時の日本では双子の出産例は過去に2例しかなく、また生まれた双子がダービー馬の兄弟であったことから、この出産は大きな注目を集めた。生まれた双子(いずれも牡馬)は中央競馬所属の競走馬としてデビュー(競走馬名は「リアルポルクス」と「リアルカストール」、双子座の星の名に由来する)したが勝利を挙げることはできなかった。
テスコパールの血統(テスコボーイ系 / ) | (血統表の出典)[§ 1] | |||
父系 | テスコボーイ系 |
[§ 2] | ||
父 *テスコボーイ Tesco Boy 1963 黒鹿毛 |
父の父 Princely Gift1951 鹿毛 |
Nasrullah | Nearco | |
Mumtaz Begum | ||||
Blue Gem | Blue Peter | |||
Sparkle | ||||
父の母 Suncourt1952 黒鹿毛 |
Hyperion | Gainsborough | ||
Selene | ||||
Inquisition | Dastur | |||
Jury | ||||
母 ムツミパール 1965 鹿毛 |
*モンタヴァル Montaval 1953 鹿毛 |
Norseman | Umidwar | |
Tara | ||||
Ballynash | Nasrullah | |||
Ballywellbroke | ||||
母の母 マサリュウ1955 鹿毛 |
トサミドリ | *プリメロ | ||
*フリッパンシー | ||||
ユキツキ | クモハタ | |||
スターライト F-No.4-d | ||||
母系(F-No.) | 4号族(FN:4-d) | [§ 3] | ||
5代内の近親交配 | Nasrullah3×4=18.75%、Blandford5×5×5=9.38%、Pharos(Fiarway)5×5=6.25%(父内) | [§ 4] | ||
出典 |
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