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ダーレク[注 1](英: Dalek)は、イギリスBBCのテレビドラマ『ドクター・フー』に登場する地球外生命体の1種である。1963年に初登場してヒットし、番組の人気を高めた。
カレド族とサール族間の戦争の最中に惑星スカロの科学者ダヴロスにより改造されたカレド族を指し、金属製の移動装置の中に入っている[3]。外見はロボットのようだがそうではなく、タコを彷彿させる生物が内部で操縦を行っている[3]。
DNA操作により憎悪以外のあらゆる感情を消されており、ダーレク以外の全生命の抹殺を常に考える排他的な種族である。「抹殺セヨ! (Exterminate!)」と叫びながらただ殺戮を繰り返すゆえ、宇宙最大の脅威とされる[3]。新シリーズにおいては時空を管理する種族タイムロードとの間でタイム・ウォーが勃発した。タイム・ウォーは全宇宙を危険に晒し、危機感を抱いたウォードクターが大量破壊兵器モメントを使うことでタイムロードとダーレクの双方を消滅させ終結した。このときにダーレクとタイムロードは絶滅したとする設定が追加された。
英語版の声優は旧シリーズではピーター・ホーキンス、デイヴィッド・グレアム、ロイ・スケルトン、マイケル・ウィッシャーなどが担当し[3]、新シリーズではニコラス・ブリッグス[4]。日本語版の声優は屋良有作(旧シリーズ)、清水明彦(新シリーズ)、中島ヨシキ(ニュージェネレーション)である。
ダーレクが初登場したエピソード「The Dalek」を執筆したテリー・ネイションは第二次世界大戦の恐怖をダーレクに投影したという[5]。
また、ダーレクの造形を担ったレイモンド・レイ・キューシックがコショウ瓶にインスピレーションを受けたというエピソードが広まっている[注 2]が、本人はそれを否定している。ダーレクの造形は物理的な思考に基づくものであり、コショウ瓶はダーレクの動作についての説明に用いられたというだけである[6]。
中身は眼球を1つ有するタコのような生物。人間を取り込み融合することも可能である[注 3]。通常は生まれてから死ぬまでを移動装置の中で過ごし、余程の事情がない限り外に姿を現すことはない。皇帝や首相といった階級の高いダーレクは姿を現すことがあるが、それでも透明な容器の中に入ったままで外には出てこない。だが、ごくまれに二足歩行のスペシャルなダーレクが出て来る。(初登場 Series9 ep50)
ポリカーバイドと呼ばれる金属製の移動装置に入っており、この移動装置は戦闘に特化している。胴体部の左側には光線銃が装備されており、ここから放たれる光線で対象を抹殺する。人間はもちろんサイバーマンのようなサイボーグまでも一撃で抹殺され、ドクターをはじめとするタイムロードでも撃たれると再生及び何らかの処置を必要とする。電流のようなエネルギーであるため、水はこのエネルギーを伝導する[7]。胴体部右側のラバーカップに酷似した装置は情報収集に用いられるもので、人間の脳波を抽出することで対象の脳内の情報を全て取り出すことができる。電力の吸収やインターネット上の情報のダウンロードなども可能。ダーレクにとっての手のような装置である。また、シーズン1ではドアを焼き切る為のバーナーを装着した者、シーズン4では本拠地のコンピュータ操作用のマニピュレータを装着している者が登場しており、これらの機器は換装が可能である模様。
頭部から前方に伸びた棒が視覚装置であり、ズームなどの機能を持つ。活動中のダーレクの場合レンズは青く発光し、死亡あるいは活動を停止している際は光を放たず黒い。頭部は360度回転可能で、胴体部も回転が可能なため周囲全てを視認できる。移動装置に入ったダーレクにとっては外界と繋がる数少ない装置のため、戦闘時にはここを狙われることが多い。また頭部にはライトが2つ装備されており、発言と同時に光を放つ。
フォースフィールドと呼称されるシールドで保護されている。フォースフィールドは銃弾を瞬時に融かしサイバーマンの光線銃も通用しないが、局所を集中的に攻撃した際に貫通する場合がある。胴体の周囲にある球体がフォースフィールドの発生装置であり、シリーズ1では自爆する際に球体を用いて自分の体をシールドで覆い周囲に被害が出ないようにしていた。
移動装置にタイムトラベラー以外の人間が触ろうとすると燃え尽きるため常人は接触不可能である。タイムトラベラーは触れることができるが、ダーレクはそのバイオマスや遺伝物質を吸収し力を増すことが可能。その際はタイムトラベラーが燃えることはない。
シリーズを通し、移動装置には多くのバリエーションがある。1960年代の一般的な階級のダーレクは銀色のベース部分に青い半球が備わっている[8]。1970年代では1974年に放送された「Death to the Daleks」というエピソードを除けば、一般階級のダーレクは黒灰色に統一されていた[9]。「Death to the Daleks」でのダーレクは銀色の装甲に黒い半球が装備されている[9]。
1980年代では皇帝(ダヴロス)派と最高ダーレク派に分裂していたため、2種類のデザインが見られる。皇帝側のダーレクは白色と金色の塗装で、最高ダーレクを指揮官とする陣営は黒色と灰色であった[10]。
2005年の新シリーズからはセクと最高ダーレクなどを除き金色のデザインとなった。2010年からはニューパラダイムダーレクが登場、より大型で様々な色を持つデザインに変更されたが、2013年からは金色のデザインに戻された。地面を滑るように移動するので階段を登れないとジョークのネタにもされていたが、新シリーズからは浮遊することで階段を克服した[11]。
シリーズ7「ドクターの日」および「ドクターの時」に登場するダーレクの中には、戦闘用ポッドに乗り込み戦闘を行う者もいた。ポッドの形状は皇帝ダーレクと似ており、レーザー光線を放つ。またダーレク3体による操縦を要する。劇中ではアルカディアの戦いにおいて投入され、アルカディアの街に対し空爆を行った。トレンザロアでも複数回ポッドによる襲撃が起きた。
新シリーズにおいてはダーレクは権利上の問題で作中に登場できない可能性があった[15]。そのためラッセル・T・デイヴィスはダーレクの代役としてトクラフェインを登場させるエピソードを考案していたが、最終的にダーレクの登場が認められた。
画像外部リンク | |
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en:Image:Radio Times Vote Dalek cover.jpg ラジオ・タイムズの2005年4月30日 - 5月6日分掲載号の表紙。 |
イギリスの週刊誌ラジオ・タイムズで、2005年4月にダーレクが表紙を飾っている。新シリーズでのダーレクの再登場と、間近に迫っていた2005年イギリス総選挙を記念した2倍幅の表紙であり、"VOTE DALEK!"(ダーレクに投票せよ!)と書かれている。この表紙は、1964年に放送された "The Dalek Invasion of Earth" (en) で旧シリーズのダーレクがウェストミンスター橋上を移動する様子を、新シリーズのダーレクで再現したものである。
なおこの表紙は、2008年に定期刊行物発行者教会(英語版)が協賛したコンテストで、英国の歴史上最も素晴らしい雑誌表紙に選ばれている[16]。
また、2013年7月にはイギリスのチャールズ3世(当時皇太子)が『ドクター・フー』の撮影スタジオを訪れダーレクと対面した。ダーレクの音声マイクを渡され、「抹殺セヨ!」など声マネを行った[17]。同年11月18日にはドクター・フー50周年記念のパーティがバッキンガム宮殿で開かれ、マット・スミスやジョン・ハートといったドクター役俳優ともにダーレクが参加した[18]。ソフィー妃の主催であり、彼女は番組のファンである。
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