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タラバエビ科 (Pandalidae) はコエビ下目に属するエビの分類群の一つ。ホッコクアカエビ、ホッカイエビ、ボタンエビ、トヤマエビなどが分類される。
世界中の海から多くの種類が知られる。「タラバエビ」(鱈場海老)の和名はタラの漁場で同所的に漁獲されることに由来し、主要な水産重要種はその名の通り寒帯の深海に多い。ただしホッカイエビやスナエビ、ミツクリエビなど、浅い海の藻場に生息する種類もいる。また、ミノエビ属、ジンケンエビ属の多くの種は、温帯から熱帯域の深海に生息し、沖合底引き網やエビかご漁で漁獲され、食用とされる。ビシャモンエビやクラゲエビなどは熱帯の浅い海に分布し、サンゴやクラゲなど他の動物と共生している。
体長や体型は属によって大きく異なる。小型の種類はビシャモンエビやクラゲエビなどがあるが、これらは体長1-2cmほどで、他の動物と共生する。体色や体型は共生する動物にあわせて擬態しており、歩脚が短い。一方大型種はモロトゲエビ属、タラバエビ属、ミノエビ属に多く、中には体長20cmを超える種類もいる。一般的に額角は長く、上に反り、たくさんの歯(ギザギザ)がある。第1歩脚の鋏が強い退化傾向を呈するのが特徴である。第2歩脚は小さな鋏をなし、長節と腕節の間の関節で折りたたまれる。腕節は複数の節に分節する。
なお、タラバエビ属とモロトゲエビ属の種は雄性先熟の性転換をするのが特徴である。これらの若い個体は繁殖期がやってきた時にまずオスとして繁殖に参加するが、成長するとメスになる。他の属では性転換の例は知られていない。
卵はメスが腹肢に抱えて孵化するまで保護し、卵からは幼生が生まれる。モロトゲエビ属やタラバエビ属の一部の種の卵はコエビ下目としてはかなり大粒で、一度に産卵する卵の数が少なく、抱卵する期間も長い。たとえばヒゴロモエビは長径4mmほどの楕円形の卵を200個ほど産卵し、2年近くも抱卵することがわかっている。
中型・大型の種類は食用となり、水産資源として重要な種類が多い[1]。日本では1960年代から1970年代頃までは漁獲地周辺の流通にとどまっていたが、冷凍・運搬技術の発達や沿岸漁協の宣伝などにより広く流通するようになった。さらに輸入も行われるようになり、食材として目にする機会も多くなっている。その一方、ヒゴロモエビなど大卵少産型のエビは、漁獲過多に伴って資源の枯渇が深刻になっている。
約20属100種が属する[2]。
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