スギゴケ類とは、コケ植物の分類群のひとつ、スギゴケ科(Polytrichaceae)に属する種をさす総称。スギゴケ属(Polytrichum)など23属約400種をふくむ。日本にはそのうち6属約30種が分布する。
概要
スギゴケ類は、葉の表面に縦に並ぶ板状の突起構造(薄板)があることで特徴付けられる。スギゴケやオオスギゴケなど、スギゴケ類の各種は苔庭などに植栽される。
スギゴケ類は、湿度の高い樹林内、湿原、裸地、岩角地などの環境に生育している。外形的にはタチゴケやフウリンゴケのようにやわらかい葉質のもの、葉がやや硬いもの、葉先が針状になるものなどあり、このうち葉質が柔らかいものは、ハリガネゴケの仲間などと見間違いやすい。
スギゴケ類はカモジゴケなどのシッポゴケ科の各種と並んで、山岳では代表的なコケであり、環境によってさまざまな棲み分けや混生をする。スギゴケ類の中でも、生育幅の広い種とあまり広くない種とがそれぞれ存在し、タカネスギゴケやハリスギゴケなどは主に高地でしか生育していない。
鹿の食害の進行度の高い裸地環境でも、ワラビ群落の間にコスギゴケやフデゴケの群落などが見られることもある[要出典]。
同定の際には、乾いたときに葉が強く巻縮する、ゆるく曲がる、茎にゆるく接着する、茎に強く接着する、一方向に鎌型に曲がるなどの性質を用いることが多い。これらの特徴はカモジゴケなどを含むシッポゴケ科の同定でも利用する。見分ける際には葉の形も重要な形質とされる。
属
スギゴケ科には以下の属が分類される。
- Alophosia
- Atrichopsis
- タチゴケ属 Atrichum
- フウリンゴケ属 Bartramiopsis
- ネジクチスギゴケ属 Dawsonia
- Dendroligotrichum
- Hebantia
- Itatiella
- Lyellia
- Meiotrichum
- Notoligotrichum
- タチゴケモドキ属 Oligotrichum
- Plagioracelopus
- ニワスギゴケ属 Pogonatum
- Polytrichadelphus
- Polytrichastrum
- スギゴケ属 Polytrichum
- Pseudatrichum
- Pseudoracelopus
- Psilopilum
- Racelopodopsis
- Racelopus
- Steereobryon
分子系統樹での位置
分子系統学的なDNAの塩基配列データに基づくスギゴケ綱の位置は、以下のようになる[1][2]。
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脚注
関連項目
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