ジョディ・オークランド・ウィテカー: Jodie Auckland Whittaker1982年6月17日 - )はイングランド出身の女優である。2006年の長編映画『ヴィーナス』で映画デビューし、この作品で英国インディペンデント映画賞サテライト賞にノミネートされた。2011年のカルトSF映画アタック・ザ・ブロック』や、アンソロジーシリーズ『ブラックミラー』のエピソード『人生の軌跡のすべて英語版』(2011年)、クリス・チブナル制作のテレビドラマ『ブロードチャーチ〜殺意の町〜』(2013年 - 2017年)などが高く評価されている。

概要 ジョディ・ウィテカー Jodie Whittaker, 本名 ...
ジョディ・ウィテカー
Jodie Whittaker
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2018年サンディエゴコミコンにて
本名 Jodie Auckland Whittaker(ジョディ・オークランド・ウィテカー)
生年月日 (1982-06-17) 1982年6月17日(42歳)
出生地 イングランドの旗 イングランドウェスト・ヨークシャースケルマンソープ英語版
職業 俳優
活動期間 2005年 - 現在
配偶者
クリスチャン・コントレラス[注釈 1] (結婚 2008年)
主な作品
ヴィーナス
ブロードチャーチ〜殺意の町〜
ドクター・フー
備考
ギルドホール音楽演劇学校出身
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2017年7月には、イギリス・BBCのドラマシリーズ『ドクター・フー』で、13代目かつ女性として初めてとなるドクター役を演じることが明らかにされた[1][3]

幼少期

ウィテカーはウェスト・ヨークシャースケルマンソープ英語版で育った[4]。同州のシェリー・カレッジ (Shelley College) に通った後、ギルドホール音楽演劇学校に進学し、2005年に演技部門の金メダルを取って卒業した[5]

キャリア

ウィテカーは、2005年にシェイクスピアズ・グローブで上演された "The Storm" でプロデビューし[5]、以来映画やテレビ・ラジオ番組、舞台演劇などで活躍している。2007年には、急病となったキャリー・マリガンの代役として、ロイヤル・コート・シアター英語版の『かもめ』に出演し[6]、またアルメイダ・シアター英語版での慈善興行にも出演した。

ウィテカーにとって初めての大役となったのは、映画『ヴィーナス』で演じたジェシー / ヴィーナス役である[6]。2008年にはスティーヴン・ポリアコフ英語版の戯曲 "Blinded by the Sun" のラジオ番組版に出演したほか[7]、ジュディス・フレンチ[注釈 2]によるオリジナル・ラジオドラマ『アンシーン・オースティン』"Unseen Austen" ではリディア・ベネット役を演じた[注釈 3]。2009年には映画 "Ollie Kepler's Expanding Purple World"[8]BBC Twoのドラマ『ロイヤル・ウェディング』"Royal Wedding"[9]、短編映画『ウィッシュ143英語版』に出演した[10]。うち『ウィッシュ143』は、第83回アカデミー賞アカデミー短編映画賞にノミネートされた[11]

2009年には、アイルランドのコメディ・クライム映画『ペリエズ・バウンティ英語版』に出演している[12]。2010年には、映画『キッド英語版』に出演したほか、BBCのドラマ『アキューズド』"Accused" で主演した。2011年には、サラ・ウォーターズの『夜愁英語版』を映像化したBBCのドラマでヴィヴ役を演じ[13]、同年にはカルト映画『アタック・ザ・ブロック』にも出演した。2012年には、ミュージカル・コメディドラマ『グッド・ヴァイブレーションズ英語版』に出演している[14]

2013年3月から4月にかけて、ウィテカーはITVのドラマ『ブロードチャーチ〜殺意の町〜』に登場し、シリーズ終了の2017年まで3シリーズに渡って出演した[2]。2014年1月には、実話を基にしたABCのスパイドラマシリーズ『アセッツ英語版』に出演した[15]

2017年7月16日、BBCはドラマシリーズ『ドクター・フー』の新ドクターとしてウィテカーを起用したことを発表した[1][3]。彼女はのべ13代目のドクターとなるほか、女性として初めてドクター役を演じることになり[3][16][17]、2017年のクリスマス・エピソード ("The Doctors") で初登場するとされた[3]。彼女の新ドクター就任に伴い、『ブロードチャーチ』を制作したチブナルが同シリーズの制作総指揮ならびにヘッド・ライターに就任する[18][19]。キャスティング後、秘密を守るため夫やマネージャーとは、ドクター役を示す符牒として「クルーニー」を用いやりとりしていたという[19]。白人男性キャストばかりだったことから[1]、彼女のキャスティングには多くのファンから絶賛の声が寄せられたが[20]、疑問視される声もあった。女性初のドクター役について、彼女はインタビューで次のように発言している。

「今は本当にわくわくする時代で、ドクター・フーは変化することのわくわく感を体現する存在です。ファンの皆さんは、ドクターの色々な変化をずっと経験してきた。今回のこれは、単に新しくて、今までと違った形の変化だと言うだけで、決して怖いものではないので」
"Doctor Who represents everything that’s exciting about change. The fans have lived through so many changes, and this is only a new, different one, not a fearful one."英文:『テレグラフ』(2017年7月17日)[19]、日本語訳:BBCニュース・ジャパン(2017年7月17日)[1][21] より引用

2020年にラジオ・タイムズが行った人気投票では、ウィテカー演じる13代目ドクターは読者投票で10代目ドクター(演:デイヴィッド・テナント)に次ぐ第2位の票数を記録した。2021年7月29日、BBCはウィテカーとクリス・チブナルが『ドクター・フー』を降板することを発表した。両者の降板は2022年で、降板前に3本のスペシャルエピソードが放送される予定[22]

私生活

ウィテカーは、2008年にアメリカ人俳優のクリスチャン・コントレラスと結婚した[23]。2015年には第1子が生まれている[24]

甥っ子にあたるハリー・ウィテカー(: Harry Whittaker)はダウン症を患っており、2014年に3歳で亡くなるまで、ソープオペラエマーデイル英語版』でダウン症児のリオ・ゴスカーク (Leo Goskirk) を演じていた[25][26]

著書

寄稿

  • Feminists Don't Wear Pink (and other lies): Amazing women on what the F-word means to them, (2018年) Penguin. ISBN 978-0241357187

フィルモグラフィ

映画

さらに見る 年, 作品名 ...
作品名役名 備考
2006年 ヴィーナス
Venus
ジェシー
Jessie[27]
2007年聖トリニアンズ女学院
St Trinian's
ベヴァリー
Beverly[27][30]
2008年善き人
Good
アン・ハートマン
Anne Hartman[27]
2009年ホワイト・ウェディング英語版
White Wedding
ローズ
Rose[31]
Swansong: Story of Occi Byrneブリジット・バーン
Bridget Byrne[27]
Roarエヴァ
Eva[31]
短編映画
ペリエズ・バウンティ英語版
Perrier's Bounty
ブレンダ
Brenda[27]
ウィッシュ143英語版
Wish 143
マギー
Maggie[10]
短編映画
聖トリニアンズ女学院2
St Trinian's 2: The Legend of Fritton's Gold
ベヴァリー
Beverly[27][30]
2010年キッド英語版
The Kid
ジャッキー
Jackie[27]
Ollie Kepler's Expanding Purple Worldノリーン・ストークス
Noreen Stokes[27]
2011年 アタック・ザ・ブロック
Attack the Block
サマンサ・アダムス
Samantha Adams[30]
ワン・デイ 23年のラブストーリー
One Day
ティリー
Tilly[27]
ア・サウザンド・キスィズ・ディープ英語版
A Thousand Kisses Deep
ミア・セルヴァ
Mia Selva[27]
ビデオ・オペレーターも兼任
2012年 グッド・ヴァイブレーションズ英語版
Good Vibrations
ルース
Ruth[27]
Ashes (en)  ルース
Ruth[33][34]
Dustジェシカの母親
Jessica's Mum[35]
短編映画
2013年スパイク・アイランド英語版
Spike Island
スザン
Suzanne[27]
2014年Hello Carterジェニー
Jenny[27]
ゲット・サンタ英語版
Get Santa
アリソン
Alison[27]
エモーショナル・ヒューズボックス[36]
Emotional Fusebox
アナ
Anna[27]
短編映画
ブラック・シー
Black Sea
クリッシー
Chrissy[27]
2016年アダルト・ライフ・スキルズ英語版
Adult Life Skills
アナ
Anna[27]
制作総指揮も兼任
2017年Journeymanエマ
Emma[31]
製作完了
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テレビ番組

さらに見る 年, 作品名 ...
作品名役名 備考
2006年 アフタヌーン・プレイ英語版
The Afternoon Play
出演[38] エピソード:"The Last Will and Testament of Billy Two-Sheds"
ドクターズ英語版
Doctors
ルイーズ・クランシー
Louise Clancy[31]
エピソード:"Ignorance Is Bliss"
ダルジール警視英語版
Dalziel and Pascoe
カースティ・リチャーズ
Kirsty Richards[31][39]
エピソード:"Fallen Angel"
2007年 This Life + 10英語版
This Life + 10
クレア
Clare[31]
テレビ映画
2008 テス英語版
Tess of the D'Urbervilles
イズ・ヒューエット
Izz Huett[27][40]
ミニシリーズ、『ダーバヴィル家のテス』の映像化作品
ワイアド英語版
Wired
ルイーズ・エヴァンズ
Louise Evans[27]
ミニシリーズ
The Shooting of Thomas Hurndall ソフィー
Sophie[27]
テレビ映画、ガザイスラエル国防軍に狙撃され死亡したトム・ハーンドール英語版を扱ったドキュメンタリー
コンスーミング・パッション英語版
Consuming Passion
メアリー・ブーン
Mary Boon[27]
テレビ映画
2010 アキューズド英語版
Accused
エマ・クロフト
Emma Croft[31]
エピソード:"Liam's Story"
ロイヤル・ウェディング
Royal Wedding
リンダ・カドック
Linda Caddock[27]
テレビ映画
2011 マーチランズ英語版
Marchlands
ルース・ボウエン
Ruth Bowen[31]
5話
ブラックミラー
Black Mirror
フィオン
Ffion[30]
エピソード:『人生の軌跡のすべて英語版
"The Entire History of You"
ナイト・ウォッチ英語版
The Night Watch
ヴィヴィアン・ピアース
Vivian Pearce[27]
テレビ映画、サラ・ウォーターズの同名小説『夜愁』を映像化
2013年  2017年 ブロードチャーチ〜殺意の町〜
Broadchurch
ベス・ラティマー
Beth Latimer[27][30]
24話
2014年 アセッツ英語版
The Assets
サンドラ・グリムズ英語版
Sandra Grimes[31]
8話
スモーク英語版
The Smoke
トリシュ・トゥーリー
Trish Tooley[31]
8話
2017年トラスト・ミー
Trust Me
キャス・ハーデカー
Cath Hardacre[31]
2017年 - 2022年[22] ドクター・フー
Doctor Who
ドクター
The Doctor[30]
13代目ドクター、2017年のクリスマス・エピソード ("Twice Upon a Time") から登場
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舞台

さらに見る 年, 作品名 ...
作品名役名劇場
2005年Storm, TheThe Storm アンペリスカ
Ampelisca[42]
シェイクスピアズ・グローブ
2006年Enemiesナディア
Nadya[31]
アルメイダ・シアター英語版
2007年Gaggle of Saints, AA Gaggle of Saints スー
Sue[43]
トラファルガー・スタジオズ英語版
かもめ
The Seagull
ニーナ / Nina[44]
キャリー・マリガンの代役[6]
ロイヤル・コート・シアター英語版
醒めて歌え英語版
Awake and Sing![31]
ヘニー・バーガー
Hennie Berger
アルメイダ・シアター
2012年 アンティゴネ
Antigone
アンティゴネ
Antigone[31]
ロイヤル・ナショナル・シアター[45]
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ラジオ

さらに見る 年, 作品名 ...
作品名役名放送局
2008年 Blinded by the Sun [40] BBC Radio 4
Unseen Austen リディア・ベネット
Lydia Bennett[46]
BBC Radio 4
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脚注

外部リンク

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