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アメリカの半導体設計開発会社 ウィキペディアから
Cirrus Logic(シーラス・ロジック、NASDAQ: CRUS)は、アメリカ合衆国テキサス州オースティンにある半導体設計開発会社。
集積回路のファブレス企業で、サウンドチップや組み込みプロセッサ等の開発で知られる。 1990年代前半には低コストなグラフィックプロセッサの開発で知られたが、2005年5月にグラフィック部門をMagnum Semiconductor, Inc.へ売却[3]。以降はサウンドチップの開発のみに注力し、2014年にはウォルフソン・マイクロエレクトロニクス社を買収、現在の体制となった。
1990年代初め、Cirrus Logicは低価格パソコン向けグラフィックチップの供給メーカーであった。CirrusのMicrosoft Windows 2D GUIアクセラレータ (GDI)はローエンド市場において最も高速で、Oak Technologies、Trident Microsystems、Paradise(ウェスタン・デジタル)の競合VGAチップを上回っていた。例えば、Cirrus GD5422(1992年)は8ビットカラーと16ビットカラーのハードウェアアクセラレーションをサポートした。それは両方をサポートするSVGAコントローラーでは最も低価格なものの一つであった。また、GD5426 は、386/486 local bus への直接接続を可能とし[4]、Sony CPD-1304 や NEC 5FG、Nanao T240i等のモニタに対しディスプレイ解像度として 640x480, 800x600, 1024x768, 1280x1024(インターレース) をサポートした[5]。
AT互換機はPC-9800シリーズなどとは違い、基本システムの構築には何らかのVGAチップが必須であるため、必然的に普及機やオンボード向けの低価格VGAチップは相当数が出荷された。PC-9800シリーズが全盛だった頃の日本ではグラフィックアクセラレータとして高級チップであるS3が人気を集めていたが、その頃のアメリカではむしろCirrus Logicが一番人気でありS3よりも売れていると言われていた[6]。
1990年代中盤、PCがPCIバスに移行したとき、CirrusはS3やTrident Microsystemsの影に隠れることになった。GD5470"Mondello"のリリース日が発表されたときには、デスクトップPCグラフィックにおけるCirrusの評判は苦しい状態にあった。Rambusを用いることで格段に高速な設計になったことを示したGD5464が完成を控えていた中で、Mondelloの開発は後れを取っていた。(このためMondelloは出荷されることはなかった。)
同社の最後のグラフィックチップ、PCI/AGP 3DアクセラレータのGD546x"Laguna"シリーズはRambus RDRAMを採用した数少ないビデオカードの一つで独創的であった。GD546xで使われているタイルメモリの特許は今日のほとんどのグラフィックプロセッサで依然使われている。しかし、当時のプロセス技術によるゲート数の制限を受けた他の多くの2D/3Dチップのように、テクスチャマッピングのパースペクティブコレクト、バイリニアフィルタリング、シングルパスライトニング、グーローシェーディング、アルファブレンディングといった機能セットは次世代の3Dチップと比べて不完全であった。GD546xファミリーは当時のCPU処理の制限により、本来の性能分のトライアングルを処理しきれなかった。GD546xの本来の演算能力は約250万トライアングル毎秒(25ピクセルトライアングル)で、これは競合製品よりもはるかに高速であった。
インテルがi740で3D市場に参入したとき、Cirrus Logicは当時年間5億ドルの価値があった市場から撤退した。(インテルは何年も性能の向上に追いつくことができなかった。i740は広く受け入れられるものではなく、他のメジャーなチップの設計に劣っていた。)
Cirrus Logicグラフィックカードのエミュレート実装がいくつかのエミュレータに使われている。QEMUはCirrus CLGD 5446 PCI VGAカードをエミュレートし、これはXen-HVM、KVM、Bochs(BochsはさらにCL-GD5430 ISAカード)でもエミュレート実装されている。
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